Chrononglyph

このブログは、こっぱちゃ(@koppachappy)が個人的に思うことを書き残す日記系ブログです。 2004年09月から1日1本相当の連載維持を目指して運営中。

4代目開設および公開運営復帰について
2023年05月より他活動の影響で維持管理が難しくなり非公開運営を続けておりましたが、2024年09月より公開運営を再開しています。 当面の間は2023年以降の記事のみ公開するプロトタイプ版運営となります。2022年以前の記事についてはコンプライアンスチェック後に順次公開予定です。
#7619

直線的な目標設定の否定

今日の出来事作業計画の問題

自分はここ最近(特にChatGPT登場以降)、
web制作におけるプログラミングをやや軽視しているような姿勢がありました。
つまりweb制作で大事なのは「何を作るか」であってプログラミングそのものの知識ではない。
プログラミングそのものを好きでも、「何を作るか」が明確でないならそのスキルは役に立たないわけです。
なので、どちらかといえば「何を作るか」の方が本質的であり、
プログラミングはそこへ行くための手段でしかないと。
手段と目的を混同してはならないというのは、まあその通りだと思います。


しかし最近改めて実感するのは、その道のりはやはりプログラミング自体にもある程度の興味がないと進めない。
プログラミングそのものが好きであることも、それはそれで重要だということです。
自分の場合、「こんなこともできるんだ!」というような発見や好奇心が
開発モチベ全体を支えているような節があるのではないかと最近考えています。


去年からはChatGPTがある程度コーディングの肩代わりをしてくれるようになりました。
これ自体は開発環境の大いなる進歩と捉えていて、使わない手はありません。
しかしChatGPTに全部お任せですべてが順調に行くのかというと、決してそういうこともない。
自分の直近の作業では、ChatGPT以前から改修を続けてきた部分でReactの機能を使うと大幅に合理化できることを知り、
それでちょっとモチベが上がるというようなことがありました。
これは教えてくれたのはChatGPTで書いたのは自分です。こういう二人三脚方針だとモチベも生まれやすい。
あくまで自分が主体で進めているからでしょうか。


一方、最近だと不定期開催している「ダンドリバトル大会」の戦績表はほとんどChatGPTに書いてもらったし、
4代目ブログのフロントエンドも同様です。
これらは締切ありきだったため爆速で完成させたが、メンテナンス性が非常に悪いという共通点があります。
自分で書いたコードではないのでそもそも改修したいというモチベが出てこない。
これはChatGPTに限らないことですが、他人のコードはあんまり読みたくないものです。
当然、そんな段階で手をこまねいているような状況で新発想など生まれるわけもない。
プログラミング作業に対していわば雑に対応しているようなもので、
そんな姿勢で長年やっていけるのかと言われると、甚だ疑問です。


最近思うのは、目標を設定したらあとはそこに向かって走るだけでは人間なかなか行動できなくて、
結局その途中経過を楽しめるかどうかが肝要なのではないかということです。
ゲームでこのスコアを出すことを目標にしたいと思いその妥当性もしっかり吟味したとしても、
結局そのゲーム自体が好きでなければ達成は困難でしょう。
これはゲームにかぎらずいろいろなタスク管理にも言えるのではないでしょうか。
ある意味では「直線的な目標設定の否定」とも言えるこの発想が正しいのかどうかは、いまは分かりません。
ただプログラミングを伴うweb制作に関してはわりと当てはまるのではないかと思っています。


#7618

ゲーム会の存続危機

今日の出来事ゲーム一般

今年は年初以来、「改めてソロプレイゲームをやろう!」という機運が高まったかと思えば、
もうゲーマーとしての人生は終わったかもと思ったりするなどゲーム関連のモチベの起伏が非常に激しいのですが、
基本的には圧倒的に後者である時間が長く、
ピクミン以外のゲームプレイ時間は2021年以降の低迷を抜けていません。
そしてこれは少なからず2020年から続く同僚とのゲーム会にも悪影響を及ぼしており、
直近でも結局ゲームに関しては承認欲求ありきという価値観は捨てきれないと考えました(#07606 / 2024年10月12日)。
また、去年末からは画面共有で見るだけという交流の在り方を新規開拓し、
これならモチベ低迷していてもゲーム会の存続はできるだろうと思っていた矢先、
『Detoroit: Human Become』ではプレイしている同僚より先に見るだけの自分が飽きてリタイアするという、
かなり情けない事案も起きてしまいました(#07546 / 2024年08月14日)。


そんな矢先、ともすれば31年ぶりの期待作とも言える『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』を迷った末に買い、
当然自分にモチベがあるゲームなら画面共有で遊ぶネタになるということでゲーム会でも遊んでみました。
というか半ばゲーム会のために買ったようなところがあります。
しかし、結局プレイしたのは最初のダンジョンをクリアしたところまで。
それ以降は同僚に続きを見たいと言われても自分の中でどうしても続きをやりたくない心理が強く、
お断りし続けているような状況になっています。


なぜ、ここまで状況が揃っているのにやりたくないと思ってしまうのか?
これは、プレイスキル格差や意欲格差によって少なからず自尊心が傷つけられるからだと思っています。
同僚はいままで関わった人の中でもゲームがかなり上手い方で、
一方でここ数年の自分はもうゲームそのものへの興味を失いかけているくらいなので、当然プレイスキルも及びません。
そうすると画面共有で配信しても、どうしても見ている方の立場が強くなってしまう。
同僚がいわゆる「指示厨」になってしまうわけで、こちらとしてはあんまり面白くないわけです。
結局、条件が揃っていてもプレイする側にある程度の熱意が無いと台無しになってしまうんですね。
こういう場合、むしろ完全ソロプレイで遊ぶ方が有望であるとすら感じます。
思えば年初の『風来のシレン6』もそうした熱意の差が浮き彫りになった結果、モチベが潰えた例でした。


この状況をどうしたら打開できるのか、というのはずっと考えてきたことですが結論は出ていません。
交友関係が長期化してきたことにより、若干自分のメンヘラ気質なところが出てきているのかな……とも思うし、
いままで話してきた感じだとゲームの好み自体はほぼ180度と言っていいほど違うので、
そういう好みの違いをお互いに、あるいは自分が尊重できていないのかもしれません。
いずれにしろ、自分の期待作をゲーム会に持ち寄るというのはもう悪手だと考えています。
むしろ期待していない軽めのタイトルの方がいいのかも?


同僚の『モンスターハンターワールド』も今週で完全クリアとなり、
やることがなくなってしまったので次週以降は様子見ということになってしまいました。
ずーっと週1で継続してこれたのですが、いよいよこのペースでも危うくなってきています。
つくづく、ゲーム会の最初期に『Apex Legends』で盛り上がったのは奇跡だったんだろうなと。
あの頃の勢いをどうにかして取り戻せないものだろうか……。


#7617

目標にしてはならない超人

今日の出来事ゲーム制作

おそらく日本で一番有名なゲームデザイナー桜井政博さんのYouTubeチャンネル、
「桜井政博のゲーム作ること」が最終回を終えて運営終了となりました。
2022年当時の桜井さんは『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の追加DLCプロジェクトが完全に終了し、
次に参画するプロジェクトは決まっていたものの人数集めのため始動まで丸4ヶ月ほど空くことに。
そこでこの4ヶ月間を活用して「ゲーム業界をちょっとだけ底上げする」ことを目的とし、
短期集中でこのチャンネルを制作することにしたそうです。
今回の終了に際し、ゲーム業界からは様々な賞賛あるいは畏怖が届いています。
「トップクリエイターが完全無料でノウハウを公開してくれたことによって、
ゲーム制作を情報商材にしようとする拝金主義のコンテンツがかなり淘汰されたのは良いこと」
というような意見も結構ありますが、これは本当に羨ましいかぎり。
web制作界隈なんてもう高額な塾へ誘導することしか考えていない信憑性がアレな企業サイトばかりですからね。


自分は桜井さんチャンネルはまだ部分的にしか見れていないですが、
いずれ本格的にゲーム制作をするようになったら良い教科書になってくれるだろうという期待があります。
しかし一方で、軽率に桜井さんを目標にしてはならないと強く戒めています。


桜井さんはゲームクリエイターとしては間違いなくトップクラスで、そういう意味で憧れの的でしょう。
ただ一方でバイタリティが常人のそれを遥かに上回っているいわば「超人」であり、
基本的に同じことを常人が真似しようとすること自体に無理があるのではないかと思っています。
それは最終回スペシャルで赤裸々に語られたYouTubeチャンネル制作の裏側や、
スマブラDX開発当時の「点滴を打ちながら仕事をしていた」「数ヶ月間土日も働き続けたことがある」
「連続40時間働き続け、3時間寝るためだけに家へ帰った」
などといった恐るべきブラックエピソードを聞くと痛感します。そんなん絶対真似できないって。
むしろこれを聞かされて「俺にもできる」「俺もこうならなければならない」と思ってしまうのは、
桜井さんレベルにすごい人か、あるいは不遜なだけのただのバカでしょう。


自分はゲーム作りは長年の夢としつつも、
能力不足や自尊心、その他諸々の都合でそれを20年近く実践することをしてこなかった筋金入りの愚か者です。
そういう意味ではゲームを1本作り切った人でさえも尊敬や羨望の対象であり、桜井さんは本当に雲の上の存在です。
いま、改めてそれでもなお長年の未練に立ち向かうべきか否かの分岐点に差し掛かっているわけですが、
そんな状況に桜井さんがゲーム作りのノウハウを全部出すコンテンツを出してくれたということは
自分にとっては蜘蛛の糸のようなものなのかもしれません。


しかし、果たして自分はそれをたぐり登っていく勇気があるのでしょうか……?
その結末は今後数年で明らかになるのではないかと思います。


#7616

デスクトップPC新調の方向性

今日の出来事pc買い替え計画

今年購入10周年を迎えた2代目メインPCであり唯一のデスクトップPCである「XPS 8700」。
もうスペックが低すぎて来年サポートが切れるWindows 10からのアップグレードができず、
Windows PCを引き続き運用するなら新調はもう避けられない状況です。
が、これまでと違ってメインではないのが非常に悩ましいところ。
頭で考えていてもなかなかまとまらないのでブログに書きながら状況を整理してみたいと思います。


まず、基本的に自分にとってWindows機はメインではなくメインの代替である必要もありません。
パソコンとしての役割のほとんどはMacbookが担っており、それ自体には不足も不満も無いからです。
よって、サブとしてのWindows機は主にmacOSにはできないことを担当することになります。
ということで「macOSにはできないこと」を考えたとき、真っ先に挙がるのがPCゲーム。
特にメジャーなAAAタイトルは現状デスクトップPC一択でしょうし、
自分が持っているゲームの中にもmacOS非対応なタイトルが多くあります。
それ「だけ」が目的ならUMPCの方が魅力的で、そっち方面で検討したこともあります(#07563 / 2024年08月30日)。


しかし、最近度々書いているように近年の自分はそもそもゲーム自体のモチベが絶望的です。
ピクミンシリーズ以外のゲームにのめり込んだ経験は上京以降数えるほどしかなく、
ゲームをプレイするためという目的はPCを新調するにはあまりにも弱いのが現状です。
とはいえこれ以外でデスクトップPCを買う目的といっても、
物理的に2台以上必要な同時配信か、いずれやる予定のローカルLLMの運用くらいしか思いつかない。
後者は本格化したら確かに買う理由になりますが、それ自体は数年先のイベントなんですよね。
前者は主催するイベント次第ではわりとすぐ必要になりますが、それだけのために十数万円の出費はさすがに厳しい。


そういうわけで、10年の節目ではありますがデスクトップPCの新調は見送りかロースぺが妥当だと思っています。
ゲーム目的で考えると弱すぎるものの、
サポートが切れることや他の需要が無くもないことを考えると結局いずれは買わざるを得ない。
であれば10年目でサポートも切れていないうちに買ってしまうのはまあまあ妥当かなとは思っています。
そして、デスクトップPCは欲しいパーツだけ買うという選択肢があるため、
まずは個々で最低限のものを買っていき今後7年かけて段階的に交換していくのがベターかなと。
当初はメーカーや小売に組み立ててもらうBTOしか考えていませんでしたが、
いまの状況を考慮すると多少面倒でも組み立ての方が良い気がする。コスパも良いですしね。


#7615

仮想通貨のその後

今日の出来事暗号資産

2021年当時はその奥深さから今後のメインの趣味になるとすら思っていた仮想通貨界隈。
アルトコインの現物取引に始まり、DApp(Web3 App)の開発や関連コミュニティへの参加、
エアドロップ、ステーキング、デリバティブ取引、ブロックチェーンゲームとさまざまな周辺文化を渡り歩いてきました。
その勢いは上京以降、いや社会人以降新たに出会った文化の中でも突出しており、
「ついにゲームに取って代わる趣味ができた」とさえ思っていた時期もありました。
今年は年間40万円ほどの黒字ですが、イラン問題以降はほぼ触っておらずかなりの低空飛行のまま終わりそうです。


自分はアルト銘柄のうちICP(Internet Computer Protocol)が最推しなのですが、
これ関連のモチベは去年夏にシンポジウムに参加したのをピークに衰退してしまっており、
所属していたコミュニティも最近久々にアカウントをのぞいてみましたがもう稼働していないようです。
一時はかなりのポテンシャルを感じていただけに残念。
当然、2022年初頭ごろにチャレンジしていたDApp開発も芽が出ないまま宙吊りになっています。
これはもう事実上ピクチャレ大会が取って代わったと言ってもいいので再開することはないでしょう。
ただ、それはそれとしてICPについてはもう少し値が下がったら現物を買い足してもいいかなとは思っています。


ステーキングについては、MINA(Mina Protocol)に可能性を感じていたことがあり、
公式ウォレットアプリでいまもステーキングを続けています。
もともと捨て銭のつもりだったのでいいのですが、実績としてはドル建で当初比半減しています。
いや、それどころか半年以上預けているのにトークンベースでまだトランザクション手数料すら回収できていない。
MINAは自サーバーでもマイニングできるところに特徴があるトークンなのですが、
このステーキングはサーバーを用意してもらってごく少額でマイニングを委託するようなもので、
まあ完全に放置しているだけなので利率が悪いのは仕方ないですね。
公称APR(年換算利回り)はもっと高かったはずなんですけどね……。
MINAについては長期投資はちょっと難しそうな雰囲気はあります。
同じようにブロックチェーンゲームも今春に『エルフの森』を日課にしていた時期がありましたが、
実利だけで考えると圧倒的に割に合わないのでよっぽど革新的なタイトルが来ないと厳しい印象。


逆に、OpenAIのWLD(旧World Coin、最近「World」に改称)はエアドロだけで12万円稼がせてもらっており、
2週間に1度の無償エアドロは終わったものの、
いまもAPR10%を公称する利回りで毎月数WLDを貰い続けています。
普通に日本円で4桁は乗るのでdポイントなどのポイ活等と比べるとおいしい部類です。
これもまだポテンシャルは残っているように思うので引き続き注視したいところ。
いま、2ドル近辺まで落ちているのでまた10ドル付近まで上がるなら買いどきではあるけど……。


そして、これらよりも動くケタが1〜2つ多いデリバティブ取引(先物取引)。
これは今春の反省を活かして少額でより安全な取引をするという方向性はすでに定まっています。
最近、久々にちょっとだけやってみようと思い立ち若干の利益を出したところですが……。
改めて、これは心が弱いほどのめり込みやすいんだろうなと。
実生活のタスク進捗がどんなに悪くても、先物取引で勝てさえすれば正しいような気がしてくるんですよね。
もちろん負けることもあるので、そうなったらもう実生活がどんなに充実していようとどん底に落とされます。
実生活が充実していない状況ほど先物取引にすがりやすいという構図があるのは事実でしょう。
これは公営ギャンブルなどにも似たようなことが言えると思います。


また、ハイリスクハイリターンの世界は不可逆な刺激があり、
もしかしたら昨今あらゆることに意欲的になれないのは先物取引に関わったからなのではないか……
と邪推したくもなります。実際、今年前半を振り返るとそういう側面を否定できないところはあるでしょう。
勝てば10万円もらえるゲームを知っているのに、1円にもならないゲームに熱中できるかという話。


まあでも、コンシューマーゲームではもう押しても引いても心が動かないようなら、
こういう娯楽に身を染めてしまうのはもう時間の問題かなと思っています。
先物取引はある意味究極のゲームと言えなくもないし、そこに無視できない魅力があるのは確か。


#7614

睡眠用イヤホンのワイヤレス移行

今日の出来事睡眠用イヤホン

睡眠用イヤホンがまたまたまたまた断線しました。
いや、今回は正確には「Lightning - 3.5mmヘッドホンジャックアダプタ(以下イヤホン変換アダプタ)」です。
iPhoneはiPhone 7シリーズからイヤホンジャックが廃止されたため、
有線接続する場合はLightningコネクタかUSB-Cコネクタに変換する必要があります。
そのためのアイテムがApple純正のイヤホン変換アダプタなのですが……これもまあよく断線するんですよね。
症状の傾向として、イヤホン自体の断線はどちらかから聞こえなくなることが多いですが、
アダプタの故障の場合、Siriの暴走という形で気づくことが多いです。


iPhoneはイヤホンマイクにも対応しており、
簡単なオーディオコントロールなどもイヤホン側からできるようになっています。
そして再生・一時停止ボタンの長押しにSiriの起動が割り当てられていて、当然この回路はアダプタを経由します。
なぜかイヤホン変換アダプタはここが壊れることが圧倒的に多いんですよね。


そんな矢先、充電器トップシェアのAnkerが「完全ワイヤレス睡眠用イヤホン」の新モデルを発表し、
物欲が死にかけている昨今の自分でも正直かなり欲しいと思っています。
ワイヤレスイヤホンを睡眠用に使うというのはいままでも当然考えたことがあり、実際に買ったこともあります。
しかし睡眠用イヤホンは基本的に睡眠中は継続して聴きたい都合上、
ワイヤレスイヤホンはバッテリーの持続時間が大きなネックになってきます。
「どうせ聴くのは寝落ちする前の時間だけだろう」と思われるかもしれませんが、
オフタイマーが存在しないような聴き方だと基本的に寝落ちしてからもずっと聴き流していることになり、
多くのイヤホンはバッテリーが切れるタイミングで警告音を鳴らすためそれで目が覚めてしまうからです。
以前買ったワイヤレスイヤホンも、まさにそれが原因で寝落ちイヤホンとしての使用は断念しました。


そのため、持続時間が平均睡眠時間である8時間の壁を越えられるかどうかが自分の中で大きなポイントでした。
この壁は現状AppleのAirPods Proですら越えられていません。
しかしAnkerのワイヤレスイヤホン「Soundcore Sleep A20」はその壁をついに越え、公称10時間の連続再生に対応。
また面白い機能として音楽をイヤホン本体に保存してスマホとの通信を切ることによって
バッテリー持続時間を大幅に延長する「睡眠モード」も搭載しており、これにより最長14時間持つそうです
(ただし保存できる音源は専用アプリにあるものに限られる)。
超小型かつバッテリー大容量を両立するのはなかなか難しいと思うし、
睡眠用イヤホンのニーズから考えても当面はワイヤレス移行はできないと思っていましたが、
想像していたより数年早く睡眠用としての条件を満たすワイヤレスイヤホンが出てくれました。
最近は自分がASMRを本格的に聴き始めた5年前と比べると明らかに睡眠用イヤホンの需要の高まりを感じるし、
そういった需要の変化が進歩を早めてくれたのかも。


ちなみにA20にはいわゆるノイキャン機能はなく、代わりに「ノイズマスキング機能」なるものが搭載されています。
ノイズキャンセリングは周囲の音に逆位相の音波をぶつけることで相殺させるという技術ですが、
ノイズマスキング機能はホワイトノイズなどの周期的な音をあえて出すことで他の音を聞こえにくくする、
人間の聴覚の仕組みを利用した機能のようです。これがどこまで効果的なのがが気になるところ。
あと睡眠機能全振りなので音質は望めなさそうではある。まあこれは妥協できますが。


過去の実績から1,380円のイヤホン変換アダプタは年2回、
およそ2,000円の睡眠用イヤホンは年3回壊れると仮定すると、その年間コストは8,760円。
「Soundcore Sleep A20」は定価16,990円なので2年ちょいで元が取れると思えばかなりお買い得のような。
とりあえず同業他社が同じようなイヤホンを出していないかどうかもう少し深掘りして、
遅くとも年内にはワイヤレスへ移行してしまいたいなと思っています。
「耳のおしゃぶり」と揶揄されることもある睡眠用イヤホンですが、自分はまだまだ手放せなさそう。


#7613

やる気は存在するのか

今日の出来事意欲の問題

少し前に、「『やる気は存在しない』というのはマジでその通りだと思う」と添え、
以下の引用を切り抜いたツイートが12万いいねを稼いでいました。



よく「やる気ってどうしたら出るんですかね」なんて、よく分からない質問をしてくる人がいます。
多くの人は、やる気というのは行動を起こす原因だと勘違いしています。
実は、やる気は行動の原因ではなく「結果」です。だからやり始めない限り、やる気はでません。
やる気が出たから走るというのはダメで、まずその日走り始めることが大切なんです。
そうすると走りながら「じゃあ、もっと走ろうかな」と思ったりする。これがモチベーションなんです。


これは学校の成績をおいても同じです。
モチベーションを待っている人は、できない人。できる人ほどシステムに従います。時間が来たから始めるとか。
「やる気」という単語は、できない人によって創作された言い逃れのための方便です(笑)。


池谷裕二(東京大学教授)「脳を活性化し、パフォーマンスを上げるランニングとは」 - NewsPicks



「やる気が出たから行動できる」「やる気が出ないから行動できない」
という意味のやる気というのは実は言い訳でしかないという、最近意識高い系の間でよく聞く話です。
しかし自分はやる気という概念は存在すると考える立場なので少し批判を展開してみたいと思います。


こういう文脈(特に引用の後半)で「やる気」が批判される場合というのは、
その人が十分に評価(期待)されていて客観的に「できるだろう」と思われているとか、
あるいは周囲が骨を折ってお膳立てして「きっとできるだろう」という状態まで持ってきたのに、
それでもなお本人がやらないので周囲が腹を立てているような場面をよく想像します。


そういう場面での「やる気」という概念は
「できるのにやらない」という状況に対して周囲が攻撃するための藁人形としての存在でしかありません。
この場合、本人からしてみれば文字通りに「やる気がない」のであり、
しかし率直にそれを口にしてしまうと角が立つので、本人でさえもこの状況をやる気のせいにすることによって、
その場をとりあえず穏便に済ませようとしているわけです。
「行けたら行く」「善処します」みたいな、日本語によくある建前と本音がねじれている便利な言葉。


「できる人ほどシステムに従う」というのはまあ表面的にはその通りで、
自己実現にしろ仕事にしろ勉強にしろ、まずはシステムを作るところから始めるべきだとは思います。
無根拠なやる気は到底寿命まで続くものではなく、早ければ30代辺りでもう枯渇してしまいます。
そういう事態に備えてやる気に依存せずとも継続できるような仕組みを持っておくことは重要でしょう。
それは長期的な意味合いだけでなく、体調不良など短期的にポテンシャルを発揮できない場合にも役立ちます。
しかし、それだけではそこに十分な主体性が含まれているかどうかは保証されていません。
システムの奴隷になり実はもうやりたくないと薄々感じている心を殺しながら
半ばロボットのように継続するケースもあり得るのではないかと思います。


要するに、ここで言う「やる気」は使命感などのある種の社会的責任をバックグラウンドに
能動的・自律的に行動できる能力を指し、そういう意味でのやる気は存在すると自分は思います。
それは他人のお膳立てというよりはその人自身のそもそもの能力や過去の成功体験・失敗体験、
あるいは社会的成功によって生まれた責任の有無などによって左右されると思います。
それらによって醸成されたアイデンティティーが、それをやるべきか否かという主体的なやる気を決めている。
ゲームでのみ成功体験を得続け、勉強のことになれば叱られるなど嫌な思いをし続けた学生が
勉強の「やる気」が出ないのは当然のことだし、それはその時点で他人がどうお膳立てしても無意味でしょう。
(「報酬」によって半ば無理やり行動させることはできますが)


ちなみに本人が一見してそれをさも優先度第1位の物事として「やり遂げたい」と宣言しているのに
同時にそれを「やる気がない」と思い悩んでいるようなケースはもっと低次元で、
ちょっとした思いつきを「やるべき」リストに入れてしまっているケースや、
「やり遂げたい」と思っていることが願望レベルでしかなく、
一刻も早く自分の能力の低さを受け入れなくてはならない段階であることが往々にしてあります。
なぜそんなことをするのかというと、「何もしない」という怠惰から抜け出さない言い訳にできるからであり、
これは昔の自分によく当てはまっています。
小学校高学年くらいまでなら将来の夢にメジャーリーガーやパティシエと書いても許されると思いますが、
それを成人してから言うのはいかにも馬鹿馬鹿しいと誰もが思うことでしょう。
これをリアルで他人に言ってしまうとおそらく喧嘩になってしまうのでなかなかセンシティブな問題だとは思います。


かく言う自分も、自己実現に関わる大型のタスクでいまだ着手できていないものはいくつもあり……。
まあ、言葉にはできてもなかなか実践の難しい部類なのではないかと思います。