Apple Vision Pro発表
満を持してAppleがMRヘッドマウントディスプレイ「Apple Vision Pro」を発表しました。
初代PlayStation VRを発表したのがもう7年前ですでに2代目をリリースしているし、
Metaも着実にOculus Riftシリーズをブラッシュアップしている中、
かなり遅れてのVR分野参入となったApple……と思いきや、どうもこれはVRではないようです。
新しい分野なのでAppleは「空間コンピューティング」という新しい言葉を使っていますが、
一般的にはMR(複合現実)と言われているものに近そうです。
VRは基本的に仮想現実への没入感を優先するため、装着中は現実の世界は見えません。
一方、AR(拡張現実)と言えばカメラを通して現実空間にバーチャルなものを映し出すものです。
MRはこれら両方の特徴を併せ持っており、
Apple Vision Proは高精細な3D空間を見ることもできるし、現実を見ることもできるようです。
なんかアンチがバッテリーの持ち時間が2時間であることをこれみよがしに叩いているようですが、
Macとのシームレスな接続を謳っているあたり、どうやら有線の使用を前提としてそうな感じ。
要するに、Macの外部ディスプレイ的な使い方をするということですね。
ちなみにこれ自体にもOSとSoCが入っているので単独でもバリバリ動きます。
超巨大なディスプレイを自分の周りに立体的に配置できるデバイス、と考えるとすごい未来感が。
しかも手には何も持たずともジェスチャーだけであらゆる操作ができるそうです。
いったいどういう仕組みなんでしょう。いよいよSFチックな世の中になってきましたね。
さて気になるお値段は3,499ドル。日本円にして実に50万円!!
うーん、これはさすがにおもちゃの領域を完全に超えている……(当たり前か)。
まあ「Pro」の名を冠しているあたり、今回は初代にして上位モデルということなんでしょう。
いずれは廉価版を出す余地を残しているように思います。
3Dの世界はデバイスが高級になりがちだけど高すぎるとなかなか普及しないし、
普及しなければ製作費が嵩む3Dコンテンツもなかなか生まれないという難しい問題を孕んでいます。
それこそソニーがPSVRで7年勝負しているのにいまだにキラーコンテンツと呼べるものは無く、
一般に普及しているとは言い難い状況です。
Meta Questも一時かなり安くなりましたが(国内ではその後円安でリバウンド)、
それでもなお普及しているとは言い難い現実があります。
この高い壁を世界一のハードメーカーであるAppleがついに挑む日が来たわけですが、
50万円という強気すぎる価格設定はあまり大衆への普及を考えていないような気がします。
まずはコアなファンに売ってどういう反応が返ってくるか試金石として見ている気がしてならない。
バッテリーもアレですが、他にもHDMI端子非搭載だったりして明らかに汎用性に欠けますしね。
2025年にリリースするであろう2代目こそが本番なのではないでしょうか。
Apple Watch以来久々にAppleファミリーが加わったことは素直にワクワクしていますが、
個人的にはそういう理由から初代は見送りが妥当かなーと思っている次第です。