寝逃げでリセットリミックス
何気なくApple Musicの新譜一覧を見ていたら目を疑うものがありました。
『らき☆すた Re-Mix003〜原作刊行20周年始まるザマスよ、いくでガンス、フンガー〜』
……サブタイのおふざけが過ぎるのはさておき、らきすたリミックス第3弾だと!?
そこに書かれているとおり、原作20周年を記念してのリリースのようです。
2作目が2009年のリリースだったと記憶しているので、実に15年ぶり新作です。
いや、まさか3作目が出るとは思わなかった。これだけですでに相当驚いたのですが、まだあります。
トラックリストを見てみると愕然。『寝・逃・げでリセット!』のリミックスがある。しかも2曲。
これを説明すると非常にオタク的饒舌にならざるを得ないのですが、
『らき☆すた』は2007年のアニメ化で大いに話題になったいわゆる萌え4コマ作品で、
このジャンルとしては元祖に近いです(これより古いメジャー作品は『あずまんが大王』くらいか)。
アニメは2クールで出来も良く、かつニコニコ動画黎明期&全盛期とちょうど重なったということで
アニメMADなど二次創作界隈もかつてないほど活発で大いに盛り上がりました。
その盛り上がりに呼応して、なんと10作品ものキャラクターソングが作られたのですが、
『寝・逃・げでリセット!』はそのうち「柊つかさ」が担当するキャラソンの1曲です。
キャラソンというとキャラありきで楽曲としてのクオリティは高くないことが多いですが、
この楽曲はその意味ではかなり飛び抜けたクオリティで、売れ行きも非常に良かったようです。
そして自分はちょうどこのキャラソンの発売前後に
『らき☆すた』楽曲を中心にいわゆるニコニコ動画系の楽曲を通学や作業用によく聴くようになり、
これが現在まで続く携帯音楽再生数統計、ひいては音楽趣味の原点のひとつになりました。
毎月の音楽再生数を記録し始めたのが2代目携帯を買った2007年09月。
その1期生で第1期の最多再生数でもある『寝・逃・げでリセット!』は現在も累計1位を独走しており、
いまもなお褪せることなく聴き続けています。
その公式リミックス楽曲を17年経て供給されたときの衝撃は語るまでもありません。
らきすたリミックスの過去作は原則として主題歌のリミックスのみという構成だったので
(組曲は例外と言えますが)、そういう意味でも驚きました。
この楽曲はキャラソンという枠組みを超えた人気曲として公式も認知しているのでしょう。
で、さっそく聴いてみたのですが……。なんというかもう、言葉になりません。
自分の音楽に関する「好き」のすべてが詰まっている。やはりここが原点だったんだと改めて認識しました。
2007年当時はまだテクノポップという言葉すら知りませんでしたが、
テクノポップを経て現在のフューチャーベースやエレクトロニカなど、
いわゆる電子音楽を好きになったのはこの原曲が最初です。
正確に言うと「かわいい×電子音楽」と言うコンセプトを好きになった根源といった感じですね。
音楽にある種のかわいさを求めるという姿勢は2007年から現在まで一貫しています。
今回のリミックスは電子音をふんだんに使いつつも、
つかさの可愛い声色が息づかいまで聴こえてくるような繊細なチューニングで表現されていて、
なんというかもう感無量です。
自分は音楽ライブラリのレートの★5は全曲中10曲までという制約を課しており、
ここに入るのは500回以上聴いてもなおライブラリの象徴として好きであり続ける楽曲しかなく、
どんなに良い楽曲でも再生数の少ないうちは★4からスタートするのが通例でした。
が、今回はこのリミックスを特例中の特例でいきなり★5に入れざるを得ませんでした
(最終的に★4最強格くらいに落ち着きそうではありますが)。
とにかくそれくらい衝撃的でした。あまりにも衝撃だったので既存楽曲も一回り良く聴こえる気がします。
音楽体験そのものに影響を与えるほどの衝撃だったのでしょう。
実際、これをきっかけに高級ヘッドホンを買いたいという欲求を非常に強く後押しされています。
夏ボナの買い物候補はいまのところこれですかね……。
Apple Music自体には不具合も多いですが、音楽体験が良くなっているのは事実。
そして今回、一気に株価を上げることとなりました。
いずれにしても、もうサブスクを使わないという選択肢は無くなったと思っています。