魔の2歳児
多摩地域は地域全体が巨大なベッドタウンであり、当然子育ても盛んに行われています。
休日に外出すると見かける子連れの割合はかなり高く、少子高齢化を感じさせません。
親子団欒は見ていてほほえましいですが、たまに真逆の光景が繰り広げられています。
それはいわゆる「イヤイヤ期の子ども」と親の正面激突を目にしたとき。
休日の昼過ぎに最寄りのマクドナルドへ行くとたいていどこかの席でやっていて、
しばらくするとギャン泣きが聞こえてくるのは日常茶飯事です。
あれを見ると子育てなんて無理だなと思うし、当然そこに行き着く恋活・婚活のモチベも下がります。
億が一にも相手ができたとして、普通にDINKs(生涯子どもを作らない夫婦)でいいんじゃないかと。
俗に「魔の2歳」と呼ばれるように、
2歳前後に迎えるイヤイヤ期は子育てにおいてももっともキツい時期です。
子どもは可能なかぎり親を困らせるような言動をし、親が「やめなさい」と言えばギャン泣きする。
道徳上困らせることを許容するわけにもいかないわけで、親としてはどうしようもないわけです。
イヤイヤ期で検索すると「2歳児とまともに向き合ったらママの精神が崩壊する」とまで書かれている。
そういえばかつて大学院時代に現役の小学校教師と話をしたことがありますが、
「低学年の子どもは獣と同じ」と言っていました。
門外漢が「虐待は良くない」と言うのは簡単ですが、
親の人権、立場、精神力を考慮するとイヤイヤ期を前に親の方が崩壊し虐待に走るのは分からないでもないです。
しかしそうなってしまったら誰も幸せになれません。独身時代の方が幸せだったと後悔するでしょう。
子育てにはそういうリスクが無数にあるわけです。
魔の2歳を乗り越えても小学校以降における家庭内教育、反抗期、思春期、受験などハードルはいくらでもある。
順風満帆に独り立ちまで送り出せるのは簡単ではない……というか無理難題なんじゃないでしょうか。
それでいて、子育てが完璧でなかったら親ガチャハズレとか言われるなんて世知辛いにもほどがある……。
こういう風潮が少子高齢化を加速させているんじゃないかと思うほどです。
しかも中流家庭は二馬力で裕福かと思いきやとんでもない税金を課せられて貧困同様というからツラい。
イヤイヤ期は自我が芽生えた証拠でもあり、
「親を困らせること」が子どもにとって本来の目的ではありません。
なんでも思い通りにしたい、というところから出発していろいろと模索していく時期であり、
思い通りにいかないことも多いんだと納得していくことで精神的にも成長していくわけです。
こういう発達心理学の知識は子育てにおいて必須と言っても過言ではなく、
改めて子育て、ひいては結婚というのは軽率にしてはならないということを実感します。
「一人では寂しいから」という軽率な理由で婚活しようとする人は少なくないと思いますが、
彼らがなんの予備知識も無くイヤイヤ期の壁にぶち当たったときどう対応していくんだろうか……?
昨今児童虐待が急増しているというデータは、それに対する答えなんじゃないかと思わなくもないです。