ピクミン4発売
いまだに発売されたことが信じられない『ピクミン4』の発売日をついに迎えました。
もちろん有給を取ってダウンロード版配信開始の00時ちょっと前からプレイしていました。
ピクミンシリーズの完全新作としては10年と8日ぶりということになりますが、
今作はある意味それ以上に長く待ち望まれていた作品でもあります。
『ピクミン1』はゲーム内日数30日という制限下で地上に散らばる30個のパーツをいかに効率よく回収するか、
というところに重きを置いたコンセプトでした。
当時、CMソングが流行してなかなか売れましたが可愛らしいキャラとは裏腹にかなり難しく、
昨今ではかなりの高難度ゲームとして語られています。
そして伝説の名作とも言える2作目『ピクミン2』は時間無制限の「地下世界」が導入され、
地上では効率重視、地下では原生生物とのバトルを重視するという異なるコンセプトが同居するようになりました。
これにより運搬物や原生生物の種類は膨大になり、
その圧倒的なボリューム感と充実度により多くのコアなファンが生まれました。自分もその一人です。
しかし9年後に登場した『ピクミン3』では原点回帰がコンセプトになり地下世界は廃止。
本編は『ピクミン1』と同じように地上でダンドリ良く運搬物を回収することが唯一の目標になりました。
これもこれでファンがいたのも確かですが、ボリューム不足と批判されることも少なくなく、
実際にWii U版は前作の半分ほどしか売れませんでした。
『ピクミン4』はこうした経緯を踏まえ、
地下世界の概念を復活させ『ピクミン2』に大きく寄せた作品になっています。
そのため自分を含む『ピクミン2』のファンからすれば19年ぶりの完全新作と言っても過言ではありません。
そして実際にプレイしてみると……我々ファンの想像以上にファンサービスが多く詰め込まれた作品でした。
ゲームを進めるとできるようになる「夜の探検」なんかは
『ピクミン3』が登場する遥か前からファンサイトで望まれていた要素だし、
『ピクミン3』ではリストラされていたショイグモなどの原生生物の多くが復活。
地下洞窟は『ピクミン2』の地形やコンセプトをオマージュしたと思われる箇所が多く登場してきます。
これはもう、かなり深いところで『ピクミン2』のファンを意識しているとしか思えないつくり。
新登場の氷ピクミンとヒカリピクミンも、考えれば考えるほどよくできていると思います。
特に氷ピクミン。氷ピクミンを水に規定数投入すれば凍らせて氷上を歩けるようになるのですが、
そうなると当然隊列の氷ピクミンは少なくなってしまいます。
しかし氷ピクミン自体は実はかなり重要な戦力で、氷ピクミンが原生生物に攻撃すると凍結ゲージが溜まり、
最大になると一定時間凍結させることができます。
要は『ピクミン2』におけるゲキニガスプレーの役割を兼任していることになり、
言うまでもなくバトルシーンでは重要な役割を担っています。
一方、見た目通り炎には滅法弱いのであらゆる敵をゴリ押しできるわけではなく、
過去作すべてで不遇だった赤ピクミンが相対的に重要になっています。この辺のバランス調整はなかなかのもの。
それでいて前作までのすべてのピクミンが本編に登場するらしいのでワクワクが止まりません。
また、前作まではあくまでサブコンテンツだったバトルモードとチャレンジモードも本編デビューしており、
特にバトルモード(今作では「ダンドリバトル」)がかなり楽しいです。
前作までのバトルモードはあくまでも特定アイテムの運搬が勝利条件になっていましたが、
今作はあらゆる運搬物がポイントになるというシステムで、『ピクミン1』のチャレンジモードに近い感じです。
しかも過去作と違ってCPUが相手してくれるのでスコアアタック的な楽しみ方もでき、
これまでローカル対戦でしか縁のなかったバトルモードも今作はやり込む価値がありそう。
発売してくれただけでもありがたいのに、ここまでファンの期待を的確に詰め込んでくるとは……。
本当にピクミンファンであり続けてよかった。ありがとう任天堂。