セキュリティの最終防衛線
レガシーなゲームを動かす専用の第3端末(第2のサブ機)、iPhone 5。
当初、これを使ってメイン機にも置けないような秘密の情報を保存できないか考えていました。
例えばオンラインに保存することがリスクになるような仮想通貨ウォレットのニーモニックフレーズなど。
いまのところ自分はこれを1Passwordに保管しているのですが、
パスワード管理ツールのクラウドサーバーに保管するなんてとんでもない、と言う意見もあるし、
自分もそれなりにリスキーだとは思っています。
ニーモニックフレーズはそれ単独で仮想通貨の口座にアクセスできてしまう超重要情報ですからね。
しかしそれを言い出したら1Passwordを使えないことになる。
このサービスは256bit暗号化によって運営すら複合できないデータとして保管されているため、
基本的には何を保管しようが安全だと思っています。
ただ、サービスが未来永劫続くのかと言われると怪しいですが……。
なので、遺書みたいなものをここに保管するのは適していないと思います。
そういうのは結局アナログが最適かと。
iPhone 5に保管するニーズがあるとしたら、まずその1Passwordの情報を復号するための秘密鍵。
そしてiPhoneに万が一のことがあった場合に復旧するためのリカバリーキーの2つです。
これらはメイン機を使えない状況でも参照できるようにするべき、
という点でiPhone 5に保存するのはある程度理にかなっています。
ただ、レガシー端末であるiPhone 5が本当に適当なのかと言われると若干微妙のような。
個人においてセキュリティの最終防衛線をどうするかというのは意外と難しく、
また考えていてなかなか楽しいテーマでもあります。
紙に書いて財布に潜ませていれば安全? 雨に濡れて解読できなくなってしまうかもしれない。
そもそも10年以上保管するなら紙という媒体自体が不安。
かといってデジタルの場合、ネットに接続するとそれだけで流出のリスクは否定できない。
iPhone 5のようなレガシー端末は故障のリスクがあり、故障したらどうにもならない……。
保存専用媒体であるUSBメモリやSDカードは保管に適しているように見えますが、
実は放置しているだけでデータが破損するリスクがあり、決してこの用途に向いているわけではありません。
磁気で保存するMOはこの用途に向いていますが、
全然普及しなかったということもあってそもそも対応ドライブがすでに希少という。
とりあえず言えるのは、どれも完璧な保管方法は存在しないので2種以上を使い分けるべきかなと。
バックアップのバックアップも作った上でiPhone 5に保管するのはアリなのかもしれない。
紙媒体はやはり経年劣化が不安なので、長期保存に耐えられる紙とペンを探した上で、
極力劣化しないかつ安全な環境で保存できる方法を探すべきですかね。究極的には銀行の貸金庫とか。
あとはトリッキーな方法として、
改ざん不可能なブロックチェーンインターネット上のプライベートメモアプリを使う手があります。
ブロックチェーンは個人の意思では止められずサーバーが止まるなどといったトラブルも無いし、
コントラクトアドレスなどとの紐付けが必須ならそれなりにセキュリティも強固なはず。
まあ、ホストしているサービスを信用できるかどうかが大きなネックになるため、
完璧を求めるならやはり手元に残す方法を採用するのが無難だとは思いますが。
ともあれ、スマホが財布より大切な貴重品になって久しい昨今、
セキュリティの最終防衛線についても今一度しっかり考えておきたいところです。
万が一の事態が起きてしまってからでは遅いですからね。