Chrononglyph

#8278

嬉しさの分類

今日の出来事言葉の定義

「最近あった嬉しい出来事を3つ答えてください」
と言われたらすぐに答えられますか?
自分はふとこれを思いついて、全然なくない? 最近のうっすらとした生活への絶望感はこれか? と改めて思いました。
「嬉しい」という形容動詞の辞書的意味は以下のように定義されています。



【嬉しい(うれし-い】


  1. 物事が自分の望みどおりになって満足であり、喜ばしい。自分にとってよいことが起き、愉快で、楽しい。
  2. 相手から受けた行為に感謝しているさま。ありがたい。かたじけない。
  3. (俗)かわいい。にくめない。
    (デジタル大辞泉)

超ざっくり言えば、〈嬉しい〉は①期待通りか期待以上の結果が得られたか、②それ自体が自分にとって良いことか、
③自分が何かをされてありがたみを感じるか、という3パターンによって生じる感情と読むことができます。
辞書的意味の3番目は完全にスルーしていますが。


あんまり深い洞察はしていないので思いつき程度の話になりますが、
まず①は期待しなければどう足掻いても〈嬉しい〉と感じることはなく、しかも現実が期待を上回る必要があります。
ボーナスは2.0ヶ月分が標準のある会社員が口座を見たら2.5ヶ月分入っていたら嬉しくなるのは当然ですが、
「まあ今期は頑張ったし3.0ヶ月分出るやろ笑」と高を括っていたら逆にがっかりするでしょう。
こういう予想外系の〈嬉しい〉は歳を重ねるごとに減っていくように思います。
期待が現実に沿うようになるからですね。


③は、当たり前ですが人間関係が必須になります。ただ人間関係さえあれば程度は問わない。
自分のために長期にわたって身を尽くしてくれた人への感謝の気持ちも、
旅行土産をくれた同僚への感謝の気持ちも〈嬉しい〉になりえます。
どの程度なら嬉しく感じるかというのは、その人の他人観というか性格にかなり依存するような気がします。
でも、ひとりぼっちだったら性格云々以前にこの意味の〈嬉しい〉は未来永劫感じることはないでしょう。


②は期待の有無や人間関係の有無に関わらず成り立ちうる〈嬉しい〉です。
「自分にとってよいこと」であればいいので、穿った見方をすれば「他人にとって嫌なこと」もその範疇になりうる。
たとえば有名人のスキャンダルだとか、知人友人親戚家族の不幸話だとか。
でも、それを冒頭の質問への回答に挙げる人はまれでしょう。
そして基本的に嬉しさの度合いでは①③>②と思われ、
自己都合だけの嬉しさは予想外の嬉しさや人間関係上の嬉しさに基本的には勝てないのではないかと思います。


〈嬉しい〉と思えることがあるかどうかというのは、明らかに実感としてのQOLを左右しそうな指標と言えます。
そして①が年齢によって減衰していくなら、長期的には③を重視せざるを得ない。
これは個人としてその差を実感することはないんでしょうけど、
結局〈嬉しい〉を送り合える健全な人間関係というのが後々重要になってくるんじゃないかと思うとともに、
いまの自分は特にそこまで人間関係に不足を感じていないと思っていたけれども、
自覚している以上に〈寂しい〉人間なんじゃないかと最近思うことが増えてきています。



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