上京の真意
2019年に上京の憧れから当時の職場を辞めたとき、
当然ながら次も地元企業に就職するという選択肢はまったく念頭にありませんでした。
東京に憧れているからといってそれ自体は本質的には移住する理由にはなりません。
それ以前も東京旅行という形で東京には行っていたし、
旅行先としての憧れも立派な憧れだと思います。
ただ、当時はそういうことを抜きにしても上京するメリットが大きすぎました。
東京じゃないとweb制作の仕事がなかなか無い、あったとしても給料が安すぎる、
給料が安くなかったとしても新潟での就職にはたいてい車が必須になる。
実家はこれ以上車を置いておく物理的余裕が無いため、
車通勤となると有料駐車場を確保してそこまで歩くか、職場近くで一人暮らしすることになります。
そんなことをするんだったらいっそのこと転職しない方がマシだったでしょう。
また、あんまり書きたくないので過去にも一度しか書いたことがないのですが、
実家にはいつもブログで「身内」と呼称している弟の他にも実家暮らし中の弟がおり、
こいつが現時点ですでに30歳を越えているのにいまだ正社員経験無しのプー太郎なんです。
仕事をしていない期間も随分長くなってきたので実質社会経験無しの無職と言ってもいいでしょう。
実家はもともと全員一人立ちする想定で建築したので、
大の大人が何人も悠々自適に生活するだけのスペースはありません。
ゆえにプライベートスペースの問題でお互いに随分とストレスを募らせていたし、
兄である自分が先に実家を出なければこいつは永遠に一人立ちしないという確信もありました。
2019年時点で上京するモチベーションが高かったのはそういう事情もあります。
逆に言えば、そいつがいなければ東京への憧れがあっても実家から出ることはできなかったでしょう。
なぜかと言えば、実家には自分が愛してやまない猫(通称、ニャーさん)もいるからです。
2019年時点で自分はニャーさんに十分愛情を伝えられている自信がありました。
二人きりになるとよく近くに来てくれたものです。
ニャーさんのことが好きだからこそ、上京はかなり迷ったというのも事実です。
しかし、そうして手をこまねいていたら一生を棒に振ることにもなりかねない。
「定期的に帰省すれば覚えていてくれるだろう」と期待して最終的には上京を決意しました。
ただ、結果的にそれがニャーさんを裏切る結果になってしまった事実は否めません。
上京はあくまでも人間の都合であり、猫の都合は無視されています。
最近、というか昔から猫動画をよく観るのですが、
いろんな猫をみているとやっぱり日常的に構ってあげることが重要なのは確かなようです。
その意味で、帰省するとはいっても年に数回しか会えない自分が
猫にとって十分な愛情を注ぐことはできない。
もちろん忘れられてはいないし、
2021年くらいまでは実家に帰るとすぐに目の前で寝転んで甘えてくれました。
ただ、去年辺りからすっかりそういうこともしてくれなくなった。
老齢になってうんちの制御ができなくなってしまいオムツ生活になってしまったのですが、
おむつ替えが相当嫌なようで、それで軽く人間不信になってしまっている感があります。
もし自分が2022年まで上京しなかったらこういうことにならなかった……
というのは少し高慢な考えかもしれませんが、
上京時にもっと深刻に猫のことを考えるべきだったとは思います。
2019年当時は知るよしもありませんでしたが翌年からコロナ禍でテレワークが普及したので、
上京したとしてももっと本気になってフルテレワーク案件を勝ち取って、
コロナ禍が完全に落ち着くまで新潟でテレワークをすればよかったのではないかと。
まあ、それだとそれはそれでプライベートスペースの問題が解決できないわけですが。
いずれにしろ、過ぎたことをどうこう言っても仕方ないので
いまの自分にせめてできることは帰省したら思いっきり可愛がってやることですね。