Apple Musicは音楽ライブラリを救うか
以前(#07225 / 2023年09月28日)、
長年続けてきた音楽再生数統計がもはや現代の聴き方にそぐわないことと、
にも関わらず新世代のサービスに再生回数を移行できないことで
音楽環境は変えるべきなのに旧態依然としたものになっているという悩みを書きました。
既存のライブラリを現在契約しているSpotifyに移行するのは無理でしょうが、
音楽ライブラリ自体は伝統的にiTunesで管理してきたので、
唯一Apple Musicだけはライブラリとサブスクを共存させられる可能性がある。
しかしそんなことはできるのか……と調べてみたところ、
「Apple Musicの楽曲はライブラリに追加することで既存のライブラリと同じ扱いになる」
という情報を見つけ、いまのところそこに唯一希望を見出しています。
既存のライブラリと同じということは、究極的には買ってダウンロードしたのと同等の扱い。
つまり再生回数も記録されるし評価もできるということ。
おそらくそこまでは期待していいのではないかと思っています。
問題は、「ライブラリに追加」という動作をするタイミングです。
サブスクは基本的にキュレーションされた楽曲を一期一会のように聴いていくスタイル。
ゆえに、いちいちライブラリに追加していく余裕は無いものと思われます。
また、キュレーション以外にも音楽探し(従来の「試聴」)のために聴くこともあり、
そういうときに聴いた楽曲も一律全部ライブラリに追加というのは無理があるような。
そうなるともはやライブラリというよりもただの視聴履歴になってしまい、
ライブラリ=自分で選んで買った音楽、という従来の概念は意味をなさなくなります。
そう考えると、いわゆる「お気に入り楽曲」のみをライブラリに迎え入れ、
それはライブラリに入れた瞬間から再生回数を記録するというのが無難のように思います。
Apple Musicにはプレイリストに入れた楽曲を自動でライブラリに追加する機能があるそうです。
そしておそらくお気に入りに追加した楽曲はそれ専用のプレイリストがあるはず。
これらが連動するなら、お気に入り登録ボタン=ライブラリに正式追加というアクションになり、
ワンタップで済むので現実的に管理できそうです。
以上のことが実現すれば、サブスク混合ライブラリでも従来通りの再生回数ランキングは作れそう。
既存ライブラリと同等の扱いならおそらく月間ごとの差分も取得できるでしょう。
唯一できないのは追加時にメタ情報を操作して楽曲ごとに整理番号を振れないことですが、
これはサブスクライブラリと購入ライブラリで別管理とするのが無難そうです。
おそらく「追加した日」順でソートはできるはずなので、
ライブラリに追加した瞬間は連番を振れなくても定期的に一括で振ることはできそう。
と、なかなか有望な道筋はありますが、最終的にはやってみないとなんとも言えません。
数年前試しに契約したときのようにライブラリ間の再生回数の同期が数日〜数週間かかったり、
頻繁に重複カウントやリセットが起こるようならすべて白紙撤回ということになります。
そこさえ想定通りならサブスクの乗り換えはやってもいいかなという感じ。
Apple Musicの場合はApple Oneというパッケージプランがあり、
iCloud+、Apple Arcade、Apple Music、Apple TV+がコミコミ1,200円で契約できます。
自分の場合すでにiCloud+に月400円、Spotifyに980円払っているので、
乗り換えれば単純に同等サービス比較でも若干お得ということになります。
なので、金銭的にも乗り換えてしまった方が良いという事情もあります。
それでも乗り換えないのは以前の再生回数バグを重く見ているからに他なりません。
こればっかりはネットでも情報が出てこないので人柱になるしかないんですよね。
しかし既存ライブラリの情報が吹っ飛んだらと思うと怖くて怖くて……。
まあでも、いずれ準備が整ったらバックアップを入念に取ってチャレンジしてみたいと思います。