非公開運営で分かったこと
「ブログ20周年までにブログの安定運営についての結論を出す」
というのがここ1年の課題だったわけですが、実際に当のブログで何度か考察しても結論には至れなさそうです。
これは21年目以降もしばらく試行錯誤することになるでしょう。
ただ、2023年05月から1年3ヶ月にわたって実施してきたブログ史上初の非公開運営を通じて、
まったく収穫が無かったわけではないのでそれについての備忘録を書き残しておくことにします。
まず、この1年で執筆環境はかなり改善しました。
エディタ兼アーカイブ管理アプリとして「Obsidian」を採用することによって、
いままでになく過去記事の閲覧・編集をスピーディーに行うことができるようになりました。
これにより「直近に書いた記事は適宜読み返して細かく修正する」という習慣が確立し、
若干ではあるものの新規記事を書く心理的ハードルも下がったのではないかと思っています
(過去記事を頻繁に読むのでその「続き」を書く機運は得られやすくなったという意味で)。
Obsidian GitというプラグインとGithubの自動デプロイを組み合わせればフロントエンドへの反映もほぼ自動化でき、
再公開の必須条件として挙げていた「ブログを書いてから投稿するまでの作業を極限まで最小化する」
という課題はほぼクリアできた認識です。
また、ネタ管理もブログの安定化へ大きく舵を切ることで意識的にメンテナンスするようになりました。
これについては現状「Drafts」を使った手動運用なのでもう少し最適化の余地がありますが、
まあ大事なのはそこではなくネタを出してメンテすることなので、その意味では及第点でしょう。
しかし、ここまで執筆環境が改善してもなお、
「ストック記事を安定的に生み出す」というレベルでの執筆頻度は保てていないのが現状です。
どうしても「1日1本相当」という原則がギリギリでそれ以上の余裕を生み出すことができない。
これまでは時間さえあればできる、できていないのは時間が無いからだと思っていました。
しかし、ここ1年でブログの継続運営において時間の確保は本質的な問題ではないように感じています。
なぜならブログというのはネタさえあれば1本30分程度あれば書き切ること自体はできるわけで、
毎日たった30分の時間も捻出できないのかと言われると、そういうわけでもありません。
実際にブログ執筆でボトルネックになっているのは「書く意欲」を捻出できるかどうかという問題だと思います。
実際にネタを出してそれを書き始めるまでの時間のほうがはるかに長くかかっている。
ただ、それは白紙の前でうんうん唸っているだけでなく電車の中や他作業中などの隙間に
脳のリソースの一部を使って進めることもできるので、実際に作業負荷があるという実感も得にくかったのでしょう。
ブログというのは、原則として本当に書きたいことしか書けません。
捻り出したネタがそのまま「本当に書きたいこと」になるわけではなく、たいてい加工や吟味が必要になります。
しかし加工などを経た上でも結局執筆意欲が湧かない場合もあります。
そしてこの「書きたい」かどうかというのは、同じ話題でも刻一刻と変化していきます。
誰かとの会話でも重い話をしたいときと軽い話をしたいときとがありますが、ブログ執筆にも同じことが言えます。
ただ、どういう心理状態のときにどういう話題を書きたくなるかという分析はなかなか難しく、
強いて言えばその分析の解像度を上げていくことが21年目の課題になるような気がしています。
ここ1年の反省は、いわゆる「ネタ帳」を安定運営してただただその数を増やすだけではダメだったということ。
むしろ、表面的な思いつきだけではどれも「重く」なりがちで、それを軽くする施策も必要でしょう。
単にそういう視点で話題を探すことはもちろん、
すでにある話題を分解してみるとか、パラグラフごとに分けてみるとかですね。
これまでは思いついたことを最速でメモする方法やアンテナを広げる方法は追求してきましたが、
この辺のプロセスをもうワンランク上げないと安定運営は難しいんじゃないかと思っています。