Chrononglyph

世界経済

#8220

不透明な据え置き

イラン戦争停戦合意で米株・仮想通貨は急騰しました。
先月のPPI以来ずっとでかいロングがマイナス圏で捕まっている自分としては嬉しいかぎりで、
あともう一山越えられればとりあえずポジションは解消できるというところまで来ました。
そこで迎えたのが、今期のFOMC(連邦公開市場委員会)の会合。


これはアメリカ国内の今後の政策金利の方針を発表する投資・投機界隈でも非常に注目度の高いイベントで、
今回はイラン戦争によって進行したインフレを踏まえ、
「12月に利上げはするだろうが今回は据え置くはず」というのが市場の予想だったと言われています。
そして実際に今回は据え置きだったのですが、
ウォーシュ新議長が就任して初の今回の会合では、必要以上のことは発表しないスタイルに転向。
その中で政策金利を決める議員19人のうち9人が年内利上げを支持していることが明らかになり(利下げは1人)、
「やっぱり年内利上げされるんだ」と市場は先の利上げを織り込みに行く流れに。
これによってアメリカ2年国債が急騰し、またリスク資産(株・仮想通貨)は急落しました。


正直この界隈はまだわからないことだらけで、
どう考えても事前に相当織り込んでいたはずの「年内利上げ」を確かめただけの今回、
なぜこんなに市場がナイーブに反応するのかよくわかっていません。
ビットコインは停戦合意による高騰をほぼ全戻ししましたが、主なアルトは半値戻しくらいで耐えています。
これもよくわからないですね。ビットコイン以上にボラティリティもリスクも高いアルトがなぜ耐えているのか。
とにかく、執筆時点で64,000ドル近辺をうろついているビットコインが、
今回の利下げ後退を重く見て63,000ドルを割ってまた下限を探りに行くのか、
あるいは停戦合意やETFフロー流出の停滞といった好材料を土台に停戦合意直後の高値圏をもう一度試すのか……
かなり重要な局面に来ているように思います。
崩れるようならショートを打つつもりですが、両建ては下手すると2回火傷するのでできれば踏ん張ってほしいところ。


個人的には利上げする空気なのもビットコインにとって相当向かい風だと思っていますが、
それ以上に厄介なのがスペースXのような投機筋に人気な大型IPOや、
相変わらず勢いが止まらない半導体関連株へのリスク資産の集中だと思っています。
トレンドがビットコインからそちらに移ってしまったことで、リスク資産内のシェアが失われていると思うんですよね。
そのせいでなかなか上値が重いというのはあるんじゃないかと思っています。
逆に言えば、トップトレンドが後退してくればビットコインにもまた勝ち筋が生まれるということですが……
今後、OpenAIやAnthropicなどの新規上場も控えているのでしばらくは厳しそうな予感がしています。
こうした盛者必衰ぶりを見ていると、仮想通貨に固執せずにもっと身軽に立ち回るマインドは重要なのかも。
あんまり身軽すぎるとそれはそれで良くないような気はしますけどね。


いずれにしろ、しばらくはアメリカ国債やイスラエルの動向などに注目することになりそうです。


#7782

理不尽な相互関税

今日の出来事世界経済

朝05時に火災報知器の誤作動で随分と迷惑を被ったのですが、
夜はさらにそれどころではないアクシデントがありました。投資(投機)の話です。


アメリカのトランプ大統領は先日(04月02日)、諸外国に対して非常に高い関税率を発表しました。
トランプは輸入製品が安く手に入る米国内の状況が国内製品(アメリカ製品)の販売を妨げており、
ひいてはアメリカ国内の雇用や経済に悪影響を与えていると考えているらしく、
外国製品に高い関税を課すことで①国内製品の製造・流通を後押しし、②それによって雇用を安定させ、
③関税で得た税金を市民に還元する、という3つのメリットによってアメリカ経済を立て直そうとしています。
たとえば日本はアメリカにクルマを多く輸出していますが、一方でアメリカ産車はアメリカ国内で売れていません。
「うちの国のクルマは買わないくせにお前らのクルマばかり売りつけるのはズルい」というわけですね。
クオリティの高い日本のクルマが安く買えるかぎりは、アメリカ産のクルマは売れるはずがありません。
そうした状況が続けばアメリカ国内ではクルマ産業がどんどん衰退していくことになります。
人件費の高いアメリカ国内には工場が少ないので、こういうことがいろいろな産業で言えるということです。
トランプ政権はグローバル化や自由貿易によって衰退したアメリカの工業地帯(ラストベルト)からの支持基盤が厚く、
相互関税は「反グローバル主義」「アメリカ第一主義」としての切り札とされています。
トランプは、要するに自由貿易という概念を破壊しようとしているわけです。


一方的に高い関税を課されるとこのままでは輸出国は輸出産業に大ダメージを受けるため、
世界中で反対のデモが行われています。
また輸入品に高い関税を課されれば、その上乗せ分を負担するのは結局アメリカ国内の消費者です。
そのため生活が立ち行かなくなるとアメリカ国内でもデモが行われているようです。
報復によって相互に高い関税を課すことになれば貿易秩序が壊れ、世界恐慌に陥る恐れも。
こうした憶測からここ数日は世界同時株安が引き起こされており、あらゆる株が下がっています。
今日は休み明けということもあり、さらにその勢いが顕著でした。
この株安でアメリカの市場は100兆円を超える資産が消失したとも言われています。


最近は徹底してトレンド便乗型の戦略で利益を出している自分は、
ここでもビットコインのショートポジションで数万円の利益が出ました。
夕方、少し買い戻しが強くなってきたので一度撤退したのですが、22時には買いも失速して売りシグナルが点灯。
複数の指標を見てもかなり確度の高い売りシグナルだったので、
「もうひと踏ん張りしてみるか」とショートポジションを開けました。
すると直後、突然に恐ろしいまでの大高騰が始まり日中帯の下落をほとんど帳消しにするような勢いに。
どうもトランプ大統領が中国以外の国に対する関税措置を90日延期する、
という旨の噂が立ったことが大高騰の要因らしく、
テクニカルをガン無視して上がったおかげでショートポジションの自分は大幅な含み損となってしまいました。


真っ青な顔をしてチャートを見守っていると、今度はみるみるうちに大暴落。
どうも90日延期の報道は誤報だったらしく……。そんなことに世界経済がここまで振り回されていいんだろうか。
結局、これがどういう結末になるのかは分かりません。
トランプが「やっぱり関税率下げる or 延期する」と言えば株価は上がって自分は負けるし、
04月09日に予定している新しい関税率の適用がそのまま実行されれば株価は下がって自分は救われます。


アメリカ市場の開場前後(日本時間22〜23時)はボラティリティが高くなりやすいとは前々から言われていましたが、
その危険性を噛み締めた取引でした。やはり自分はいつもアジア時間にやるから勝てているのだと自覚して、
22時以降はポジションを開けないのが無難と言えそうです。その方が寝る前利確のルールも遵守できますしね。
あと、トランプの一挙手一投足が注目されている間は株取引は危険と思っておいた方がいいかも……。
いまや一人の男に全世界の経済が振り回されているという。