Chrononglyph

ChatGPT

#8132

AI依存開発の危険性

今回の実家帰省は「ぽこポケをガッツリ遊ぶこと」「2つのwebサイトで2026年春のアプデをリリースすること」
を目標にしているわけですが、その後者について思うことを書き残しておきます。


今回のリリースは個人的にChatGPT Codexを本格的に使うようになってから初めての大規模改修になりました。
1ファイル単位、関数単位でweb開発にChatGPTを活用することはすでに一昨年からスタートしており、
そこではまだ開発主体は自分という意識があったと思います。
しかし複数ファイルを横断的に分析してそのまま改修してくれるCodexでは、すでに人間は蚊帳の外。
開発主体はもはやAIであり、自分はそれを指示している人間でしかありません。
そうすると、当然Codexが回収した部分のコード内部は人間には掌握できないという問題が発生してきます。
「AI以前」はすべて人力で書いてきたので理屈ではコードの全容は理解できていたはずなのですが、
Codexが手を加えれば加えるほどそういう部分は少なくなってきている現実があります。


つまりCodexによる改修が進めば進むほど、もはやコードはAIでしか書けないものに変わっていきます。
これにより、ひと昔前なら人力でコードを読んでささっと修正していたような軽微な作業でさえ、
いまや何がどうなっているのか分からないのでAIに委託せざるを得ないということになるわけです。
確かに新機能の追加などの大掛かりな改修についてはAIは圧倒的なパフォーマンスを発揮しますが、
サイトの細かいメンテについてはその「細かさ」を言語化するのにも手間がかかったり、
またGPT5.4現在においても一発で正確に理解してくれるともかぎらず何往復も必要だったりするため、
むしろ効率は大幅に悪化したとさえ思っています。


この状況を改善に持っていきたいのなら、AIが生成したコードを人間が把握する必要があるでしょう。
しかもそれを、コードの大幅な改変が発生するたびにしなければならない。
しかしそれはロースキルであればあるほどタイパが悪く、なかなか現実的ではないという事情もあります。
こうなると結局、AIが従来より非効率と知りつつもAIに開発を依存せざるを得ないという状況になってくるわけです。


このことから、少なくとも元々人力で作ったwebアプリをCodexに任せて開発するということは、
成果を先取りする代わりにメンテナンス性を犠牲にする、「成果の借金」のような側面があるのではないかと感じました。
その意味での借金が後々重しになるようなプロジェクトにおいては、AIの利用は必ずしも正義ではないのでしょう。
AIの登場で浮かれていてもうプログラミングの勉強は必要ないと思っていた自分ですが、
むしろAIが登場したからこそ基礎スキルの重要性が増したと言えるのかもしれません。


#8063

プロジェクト・アシスタント

今日の出来事ChatGPT

ChatGPT Plus(月3,000円)はそろそろ一度解約してみて様子見か……と言った舌の根の乾かぬうちに、
Plusユーザーならではの大型機能を活用していないことに気づいてしまいました。
それは「ChatGPT Codex」。


Codexはその名の通りコーディングを支援するためのアプリで、CursorなどのようなAIコーディングIDE、
あるいはVSCodeなどの対応プラグインを使う方法と、Node.jsを使ってコマンドラインで動かす方法があります。
これは、簡単に言うとプロジェクトフォルダ全体を包括的にAIが読み込んで編集するというもの。
ChatGPTのネイティブアプリでもアプリ連携機能を使えばファイルを指定して理解・編集させることはできますが、
都度ファイルの指定が必要で、プロジェクト直下を一括処理させるというようなことはできません。
また読み込ませるファイルに関しては複数ファイルを学習元として使うことはできるものの、
学習に使うファイルはユーザーないしGPTは自由に改変することはできません。
あくまで最終版の資料を読み込ませ、それに基づいて回答を生成するという意図で作られています。


Codexはその制約をとっぱらい、プロジェクトファイルを全部読み込み対象にでき、また編集もできます。
Codex自体はターミナル(CLI)で動いていて、当然ユーザー自身もファイルをIDEで編集できる。
要は、プロジェクト全体をAIと二人三脚で開発するというようなことを実現するためのアプリです。
なんでいままで課金しておきながらこれの存在に気づかなかったのか。
Claude CodeやCursorの存在は知っていたのですが、CodexがPlusプランで使えることは知りませんでした。


まぁ、とはいえ単一ファイルの開発・生成・改修は従来のネイティブアプリでも実現できます。
ちょっとしたコード生成は今後もこっちでやることもあるでしょう。
一方、自分の場合は「期間限定ランキング」のような絶対に複数ファイルの連携が不可欠なプロジェクトでは、
AIに複数ファイルを同時に見てもらうニーズもかなりあったので、Codexで開発していくことになりそう。
このプロジェクトは単一ファイル連携ではやや行き詰まり感が漂っていたので、
それをCodexが突破してくれるかどうか期待がかかっています。


また、Codexはデフォルトでコーディングに特化したモデルが設定されていますが、
このモデルは通常の大規模言語モデルに切り替えることもできます。
これを活用すれば、過去の創作資料をかき集めて読み込ませて、創作用語集みたいなものも作れるのでは……?
と思い実際にやってみたところ、本当にあっさりできました。
「創作設定のナレッジベース」的なものは前々から構想していて、
自分以外アクセスできないところにMediawikiを建てて作ろうとしたこともありますが、
執筆者が自分しかいないという状況にやや無理があることもあって全然進展してきませんでした。
しかしAIならこうもあっさり作れるというわけですね。


今回読み込ませた資料はとりあえず去年AIと「壁打ち」したときのチャットログのみですが、
別所にはEvernote時代からの諸設定集もデータとして残っているので、これを読み込ませるのも面白そう。
もちろんAIが書いただけでは完璧な形にはならないので、自分が手を加えていく必要はあります。
とはいえ、創作関係の情報集約手段はとりあえずCodexで良さそうな気はしています。
最大のネックはローカル環境なのでスマホに持ち出せない点ですね。
いちおう編集の都度Githubのプライベートリポジトリにプッシュしておけば、
web版からならCodexにアクセスできるらしいのですがかなり手間がかかるため現実的ではありません。
ある程度まとめたらナレッジをProjectsに読み込ませて、
スマホはあくまでもネイティブのChatGPTアプリを使うというスタイルが無難そうな気がしています。


ともあれ、Codexは創作にしろweb制作にしろ今後かなりお世話になりそうです。
となるとChatGPTのサブスク解約の話は白紙撤回が妥当ですかね。


#7987

全自動webブラウザ

今日の出来事ChatGPT

ChatGPTのブラウザ、「ChatGPT Atlas」を少しだけ試してみました。
ChatGPTのスタンドアロンアプリといえばチャット欄とチャット履歴があるだけでそれ以上の機能はありませんが、
ChatGPT Atlasはそれに加えてブラウザ機能が搭載されているのが特徴です。
新規タブからできることは従来のChatGPTそのものですが、
インポートしたブックマークから辿ればWebサイトを普通に利用することもできます。
ちなみにブラウザエンジンはChromiumと思われ、要するにGoogle ChromeとChatGPTアプリが合体したアプリです。
普通に使う分には、ブラウザでありChatGPTであるだけでこれといった特徴はありません。


しかし「エージェント機能」というのがぶっちぎりでヤバいです。
これは簡単にいうとChatGPTがブラウザの操作を肩代わりすることができるというもの。
特定の情報についてWeb検索してきてまとめる、といったことはChatGPT単独でも普通にできますが、
Atlasがすごいのはユーザーがログインしているページに対して直接的に操作できるということです。
これはさまざまなwebサービスとの連携が考えられます。
個人的にすごいと思うのはGoogleドキュメントも普通に扱えるということ。
たとえばAtlasでGoogleアカウントにログインしておいて、
「スプレッドシートを新規作成してA1に〇〇という内容を入力して」みたいな指示もできます。
これを応用すれば簡単に情報の数だけループする全自動タスクも指示することができるわけで、
ChatGPTの活用の幅がまたさらに広がったと言えるのではないでしょうか。
さすがにブラウザゲームを代わりに操作する、といったようなリアルタイムの判断が必要なタスクは難しいと思いますが。


また、YouTubeアカウント(=Googleアカウント)でログインしておいて動画の再生ページに行けば、
「この動画を要約して」と指示するとその通りに要約してくれます。
ただ、動画ソースを直接読み取って要約を作成しているというよりは推測に基づいている部分もあるようで、
これについては今後の精度向上に期待といったところでしょうか。
もし動画の要約や和訳がそれなりの精度でできるなら、海外向けの動画なんかも抵抗なく視聴できるようになりそう。


現状、まだ複雑なタスクをこなせる段階ではないですが、
AtlasはこれまでのChatGPTと違ってユーザーのセッション情報を利用できるという点で
かなりのポテンシャルを秘めていると言えます。実質的にアプリとしては上位互換とも言えるかも。
個人的にはスプレッドシートとの連携方法についてはある程度習得しておきたいと思っています。
先述のように、スプレッドシートを使えば理論上は指示内容に変数を含むループ処理が簡単に実現できるわけですからね。
ただ多少工夫が必要らしく、その辺はこれから試行錯誤していくことになりそう。