お気に入り機能はいずれ消える?
かつてのネット文化で当たり前だと思っていたものも、
ビックテックなどの企業の判断によってある日突然姿を消すことがあります。
Yahoo! Geocitiesなどの個人サイト作成プラットフォームや、
かつてブログなどには搭載されて当たり前だった「RSS」などの機能など。
個人的にこの手の機能でそろそろ立場が危うくなっていると思うのが
「ブックマーク」だと思っています。いわずもがな、お気に入りサイトを保存する機能。
これいつからあるんだろう?
Windows 98のころから普通にInternet Explorerにありましたよね。
あ、そういえばInternet Explorerが完全に息の根を止められたのも結構大きなニュースだったな。
まあこれは部分的にはMicrosoft Edgeの中でしぶとく生き残っていますが……。
そしてそれをいまだ利用している大企業が少なくないという。いまの現場も実はそうです。
それはさておき、ブックマークはwebブラウザと同じくらいの歴史があるはずなので、
これが消えたら結構話題になると思います。当面は消えないような気もします。
が、一方でそろそろ時代錯誤な感じがしてきたというのも確か。
自分は長年Firefoxを使ってきたものの、近年になってやむをえずChromeに乗り換えました。
モダンなwebサイトがFirefoxのレンダリングエンジンをサポートしないことが増えてきたからです。
サイトをまともに表示してくれないとなると乗り換えざるを得ません。
長年Firefoxを使い続けていたのは、ブックマークを新規タブで開いてくれたからでした。
Chromeは頑なにそういう動作をさせてくれないので論外だったんですよね。
これは、昔の自分がブックマークを起点にwebブラウジングをしていたことを如実に表しています。
当然相応にブックマークは大事だったので細かく分類して整理していました。
その整理自体はいまも続けていて、その数は1500を超えます。
しかし、Chromeに乗り換えてからいつの間にかブックマークは使わなくなっていました。
これは新規タブで開いてくれないというのもありますがそれはきっかけでしかなく、
実際には新規タブを開いて開きたいページを検索すれば十分だったわけです。
Chromeのアドレスバー検索が非常に優秀であることはブラウザ戦争全盛期のころからそうですが、
いまでもクオリティは決して落ちていません。
Google検索したいならここにキーワードを打ち込めばいいし、
同時に履歴もブックマークも横断的に検索してくれるのですべてがここで事足りる。
特に履歴の横断検索ができるのが大きいかも。
ブックマークするようなサイトは必然的に履歴に残っているので、
ブックマークに入れる必要がなくなるんですよね。
PCのメモリも増えたので、より頻繁に使うwebアプリはそもそもタブを閉じません。
ブックマークは増えてくると階層分けを伴う整理が必要になってきますが、
まずそれ自体が手間だし、整理したところですべてのブックマークの在処を覚えておくのも困難。
であればもう検索してしまった方が早いわけです。
ブックマークをすること自体は無駄ではないですが、
ブックマークを起点にすることは無くなったということですね。
その意味では相変わらず必要ではあるということなので消滅はまだ先かもしれないけど、
ブックマークバーを常時表示する意味はもう無いのかもしれない。
検索に勝るブックマークの利点として「サイト名を忘れても辿れる」というものがありますが、
これは結構必要あるように思えて実際はそんなこともないんですよね。
そもそもサイト名を忘れてしまうようなサイトが再び必要になるケースがまず無いし、
仮にあったとしてもGoogle検索であいまいなキーワードを打ち込めば解決できてしまいます。
というわけで、ブックマーク機能は今後どんどん形骸化するんじゃないかなと思っています。
履歴を横断検索できる時点ですでに必要無いとも言えるわけで。
「あとで読む」系サービスも同様に結構先行きは暗いのではないでしょうか。
Pocketもユーザー数が増えていないのか、ここ数年さっぱりアップデートしなくなったしなあ。
相変わらず備忘録的な使い方はしているのでサービス終了するとそれなりに困るんですけどね。