理想のSNSを考えてみる
「誹謗中傷が自動的に柔らかい表現に置き換えられるSNS」なるものが話題になっています。
その名も「ディストピア」。なんとも皮肉が効いている感じのアプリ名ですが……。
試しにサインアップしてみると、もうすでに文字通りのディストピアになっていました。
置き換え回避に挑戦する遊びが流行っていて逆に誹謗中傷だらけになっているという。
旧Twitterや5ちゃんねるは今年に入って非常に不安定な状態が続いていて、
それを見限りたい人の受け皿となるべくさまざまなプラットフォームが乱立してきました。
最大手では「Threads」、国内ではMastodonに次ぐ分散型SNS「MissKey」、
5ちゃんねるの代替として提案されるもなんJ民には受け入れられなかった「Talk」など。
「ディストピア」もそういう機運の中で生み出されたように見えます。
この中でTalk以外はそれなりに人が残って独自文化を形成しつつあるようですが、
かつてのTwitterのような覇権SNSの勢いにはまだほど遠い状況です。
例の有料化が実現したときにネット世界がどうなるかはもはや予想できません。
個人的にそれなりにSNSを渡り歩いた経験から、
「ぼくのかんがえたさいきょうのSNS」案は長年温め続けていたりします。
いつか実現できればいいなーと思うのですが、
ピクチャレ大会とは比にならない運営コストがかかるうえにマネタイズも難しい部類なので、
やるかどうかはわかりません。特にこの手のアプリは広告費をかけないと意味無いので、
どちらに転ぶにしろ初期費用は相当かかります。ただ、相応に夢のある話でもある。
これまでの経験則からして無難だと思うのは、2ちゃんねるとTwitterのハイブリッドですね。
つまり、ある程度の匿名性は担保しつつ気軽に無責任に投稿できて、
なおかつスレッドフロート型掲示板のようにトピックごとにゆるい秩序が形成されている。
この手のSNSはいずれ登場するのではと思っていたのですが、
意外なことにまだ見たことがありません。
治安維持については重要な問題ですが、おそらくTwitter・5ちゃんねる民を呼び込もうとしたら、
ガチガチにルールを固めたところで誰も定着しないと思います。
かといって荒らし対策が皆無では失敗していった数々のSNSと同じ運命を辿るのは明らか。
この辺はサブアカを作りにくくする措置は必須かと。
悪質な荒らしを何度BANしたところでサブアカを作られたら意味が意味がないわけですからね。
具体的な方策としては電話番号認証を必須にする、端末IDを紐付ける等の措置が考えられます。
それでもなお荒らしは湧くと思いますが、この辺は投票システムでユーザーにお任せが無難そう。
要はBADボタンが一定数たまったら完全に非表示になるというものですね。
この場合、BANされたユーザーからは自分の投稿が見え続ける「サイレントBAN」が効果的かと。
つまり、BANされたことに本人だけが気付けないことで逆上を防ぐというわけです。
サイレントBANはいくつかのSNSで導入されていますが、結構治安維持に貢献しているようです。
あとはアフィリエイト対策をどうするか。
旧Twitterはインプレッション連動型報酬システムを導入して大失敗しましたが、
運営が報酬を与えなくても世の中にはリンクを踏ませれば報酬が発生するサービスが多くあり、
そういうサービスの利用者はSNSにひたすら投稿すれば報酬が期待できるため、
中にはbotを作ってまで連投している人もいます。
そういう投稿を完全シャットアウトすることはできないわけではないと思いますが、
一方で企業アカウントができたときに宣伝を禁止するのもなかなか無理がある。
アフィリエイターとインフルエンサーや公式アカウントの間にどういう線を引くかが問題です。
そういう線を引くこと自体が差別だと主張する人もいるかもしれません。
これについては、ぶっちゃけイーロン・マスクの「完全有料化」に近い意見を持っています。
要するに、投稿に対して一律コストをかけるようにしてしまえばいい。
ログインボーナスで全ユーザーに30ポイントくらい付与して、
投稿やリポストするたびに1ポイントかかるといった感じでポイント経済を作ってしまう。
全ユーザー一律で一日の投稿数を制限してしまうというわけですね。
その範囲内ならアフィリエイト行為も許容できるでしょう。
なんなら「いいね」にも同じコストをかけていいかもしれない。
いいねされた方には表面上一切の特典はありません。そうしないといいね乞食が発生してしまう。
通報は当然無料でできるようにして、被通報数が閾値に達するとログボが減っていくという感じ。
逆にアカウント歴が長いとログボも増えるのはアリかと。
愉快犯系の荒らしのほとんどは新規アカウントでしょうし。
ポイントは課金で買えたり、広告閲覧で貰えるようにすれば運営のマネタイズは一応できる。
ただ、これをすると当然の成り行きとして、
作られたSNSで交流相手ができたらまるごとDiscord等に移動するということが考えられます。
つぶやくのにコストのかかるプラットフォームでわざわざ交流する必要は無いからです。
また、投稿者に還元する仕組みが無いSNSにはインフルエンサーは居付きにくいでしょう。
そういう諸々の事情を考えると非常に難しいです。
「健全に交流しているだけでお金がもらえる」くらいのメリットを打ち出さないと、
現実的に囲い込みをするのは難しそう。でもそんなこと可能なんだろうか。
自分は仮想通貨が好きでその界隈をここ数年観察しているから言うのですが、
Web3.0にこそ諸々の問題を乗り越えたSNSを生み出すポテンシャルを秘めていると思っています。
言うまでもなく、法定通貨に換金可能な価値のあるトークンを生み出せるから。
ただ、これはこれで「何を基準に還元するか」という非常に難しい問題をはらんでいます。
単に投稿に対してトークンを付与するだけなら先述のポイントをトークンに交換するにすぎない。
それではマネタイズができません。
かといってインプレッションや「いいね」数を基準にしたらいいね乞食の出現は避けられない。
それではTwitter Blueの失敗と同じ運命を辿りかねません。
また、どちらにしろトークンが上場したらトレーダーのオモチャになることは目に見えています。
そこでもしトークンの価値が暴落してしまったらSNS自体の価値が無くなってしまう。
なので、Web3ベースで開発するなら投資家にとって魅力的なシステムであることは必須です。
それが必ずしも世間のニーズと一致するかどうかはわかりません。
こう考えると非常に難しいと思います。
新世代SNSは興味がありますが、自分で開発するにはあまりにもハードルが高そうです。
でも超絶ハイレベルなプログラマーがある日突然リリースする日もそんなに遠くないじゃないかと。