サイドローディングへの懸念
もはやGAFAのようなビッグテックの影響力は各国の政府を超えていると言われますが、
ここに来てその状況に待ったをかける動きが活発になってきています。
具体的には政府がビッグテックを名指しにした規制法案を作るような感じ。
EUがスマホのケーブル端子はUSB-C以外認めないとする法案を通したのが有名ですが、
次にEUは「サイドローディングの解禁」をビッグテック、というよりAppleに迫っています。
ちなみに、なぜかそれに日本政府も追従しているようです。
サイドローディングとは、
OS提供者が提供するプラットフォームを通さずアプリをインストールできる機能のこと。
ここでいうプラットフォームはiOSならApp Store、AndroidはGoogle Playとなります。
わかりやすいのはWindowsやmacOSといったPCで、
これらにもApp Storeと同等のものはありますがブラウザからもアプリはインストールできます。
実はAndroidには昔からサイドローディング機能があり、
ユーザーが独自に手に入れたapkファイルを実行すればどんなアプリもインストールできます。
iPhone/iPadではこういった機能に強い制約がかかっていて、基本的には解除することができません。
脱獄や開発者用のアプリインストーラーを使うことでできなくはないものの。
こういう機能が無いことは市場の独占であり競争原理を失わせているというんですね。
これを問題視した例でよく言われるのが課金手数料の問題。
App Storeではあらゆるアプリ内課金に一律手数料を課しており、
アプリ開発者にとっては非常に大きな負担になっています。
『フォートナイト』のEAがこれをめぐってAppleと正面激突の訴訟に挑んだのは有名な話。
YouTubeプレミアムとかもiPhoneから課金すると他の端末より高いのはそのせいです。
App Storeのルールによる制約で本来あるべき機能を提供できない例は意外と多く、
自分がお世話になっているアプリですぐに思いつくのが電子書籍アプリですね。
アプリ内部にストアを設置すると上記の手数料問題に引っかかるため、
ストア機能はわざわざブラウザを開いてそこで決済しなければなりません。
あと表現規制があまりにも厳しすぎるというのも有名な話です。
際どい表現を売りとする萌え系ソシャゲではAndroidとiOSで表現に差が出ることがあります。
確かに手数料はぼったくりすぎていると思うのでそこは是正されるべきですが、
当然サイドローディングを解禁しないApple側にも言い分はあり、
セキュリティリスクが激増するというのがよく言われる解禁しない理由です。
Windowsがもはやウイルス対策ソフト必須のガバガバOSであることは言うまでもなく、
Androidも変な野良アプリにカメラの権限を渡してしまうと
スマホを覗いている自分の顔がネットに流出する危険性があると言われています。
iPhoneに堅牢なイメージがあるのはひとえにApp Storeの検閲のおかげだったりするわけです。
サイドローディングを解禁したらそういうイメージは一気に崩れ去るでしょう。
今回の件は検閲することそのものが槍玉に挙がっているわけではないので、
引き続きApp Storeのみを使うことを徹底すれば従来通りの堅牢さは維持できそうですが……。
セキュリティと健全な市場原理は両立しないのだろうか?
というのは興味深いところですが、いちユーザーとしては変に引っ掻き回さないで欲しいところです。
現時点ではApple支持かなぁ……。サイドローディングしたければAndroidでやれば済むし。
わざわざメイン機をセキュリティリスクに晒す理由は見当たりません。
スマホはもはや個人情報の塊と言っても過言ではないので慎重に決めるべきだとは思います。
それこそ規制するならまずApp Storeの代替を作るべきなのではないのかなと。