中途エンジニアの悪循環
会社お抱えのエンジニアになる道は狭き門なので、
IT業界では一般的なSES(プロジェクトごとに労働契約を結ぶ派遣型正社員)として
第2のキャリアを歩み始めた2020年。
それから紆余曲折を経ていつの間にか5年目に突入している2024年現在。
この道のりを思い返してみると、ほとんどまともな経験値は得られていないことに気づきます。
これに対する焦りはかなりあるけれども、どうしようもないのも事実。
先日のゲーム会で同業者で同じ中途からこの業界に入った仲間とこの話もしましたが、
やはりみんなほとんど同じような状況のようです。「もう年下には勝てないね」とあきらめムード。
自分は当初、これはコロナ禍のせいだと思っていました。
なぜなら営業部の人間に「コロナのせいで中途をまともに派遣できるプロジェクトが減っている」
とさんざん説明されてきたからです。
それで、極めて不本意ながらも開発案件ではない、つまり肩書きはwebエンジニアであるにもかかわらず
それとまったく関係のないデスクワークやテストのような作業をやってきました。
2020年春以降、現行の現場を含めて通算で8つの現場に参画していますが、
そのうちコーディング作業があったのは3つだけ、あとはすべて実績にもならない仕事です。
この5つのうち最初の3つは2020年の話なのでコロナ禍だからしょうがない、でギリギリ許してもいい。
残り2つのうち2022年の現場はお局様を怒らせた結果半ば左遷されて配属されたプロジェクトなので、
まあこれも文句は言えない立場なのかもしれません。
そして残る1つがいまの現場となるわけですが、これは2023年からの参画なのでコロナは言い訳にならないし、
自分になにか落ち度があってそこに行かざるを得なくなったという話でもない。
言うなれば自分の意志で行った現場ということになります。
もちろん、進んで自分からこの現場に行きたいと言ったわけではありません。
営業からぜひ行ってほしいという強い推薦があり、背中を押された形になります。
当然、当時から「開発系に行けないならwebエンジニアになった意味が無い」と訴えてきたわけですが、
競合として紹介される開発系の現場は「レベル高いよ」「やったことない言語を使うかも」等々軽く脅され、
実際に自分は触れたことのない言語なのでやっていける自信がありませんでした。
当然自分としてもできないことをできますとは言えないので、
半ば妥協していまの現場に入った形になります。
結局、SES社員にはなろうと思えば誰でもなれるんですよ。異業種からの30代転職であっても。
けれども、そこからやりたい開発系の現場へアサインするには相応の経験とスキルが必要であって、
そこから落ちこぼれた人間はこうして永遠に不本意な現場へ飛ばされる運命なのではないかと改めて思います。
自分はまだマシな方で、電話応対だけをやらされるケースもザラにあるようです。
この辺は制度上の瑕疵というか、雇う会社と仕事を生む会社が異なることによる悲しいすれ違いというわけです。
この悪循環から脱出するには労働時間外に勉強しまくってスキルを溜めるか、
営業を揺さぶって年齢不相応にロースキルでもなんとかなる現場を探してもらうかしかありません。
2021年に行って満足度の高かったあの現場は後者の手段によって獲得した現場でした。
いま思えば、あれも同室で堂々とサボっているブス女との確執程度を理由に退場するべきではなかったなと……。
非常にもったいないことをしたと思っています。何か他にも理由があったとは思いますが。
そして、それ以上にいまの現場に関してはもっと強く「NO」と言っておけばよかったと後悔しています。
少なくとも延長については強く否定すべきだった。
そこでも無理難題な開発現場を提案されて「それなら延長を選びます」と言わざるをえませんでした。
ここまで来るとこっちにそう言わせるように仕向けていると考えるべきなのかもしれない……。
まあ、現実的には30代に回すようなロースキル案件は無いということなのでしょうが。
いや、この際明確にロースキル案件でなくても言語さえ一致していればいいんですけどね。
それすら提案できないというのはいかがなものかと……。やはり営業をもっと揺さぶってみるべきか?
この現場に参画して9ヶ月が経ち、もうすぐ1年が経ちます。
この年齢にしてまともに現場経験を積めていない状況で1年も無駄に消費するというのは致命的のような。
かといって現場ではこの状況を理解してくれるような人は皆無なのもツラい。
いや、そもそも自分を受け入れてくれる現場なんて存在するんだろうか。
この心配と二重苦が昨今のモチベーション低下の根本原因と言っても過言ではないと思います。
表面上はキャリアアップ転職は成功し年収は上がり続けていますが、
実態としては3年目くらいにボロが出てから
取り返しのつかないレベルで下り坂を転げ落ちているような気がして危機感があります。
40代突入後など、もっとどうしようもない段階になってから破綻するのではないかと。
次の現場選びでは心を鬼にして営業と向き合うべきなのかもしれない。