くらやみ祭初体験
西暦111年05月05日に建立されたとされる武蔵国(関東地方)の総社、大國魂神社。
大化の改新の頃から武蔵国の中心地だったこの神社では、
年に一度の例大祭で「くらやみ祭」と呼ばれるお祭りが現代でも催されます。
現代ではゴールデンウィークに被っていることもあり、連休中は連日のお祭り騒ぎ。
最終日には夜明け前から大太鼓が鳴り響きます。
かつては「神様を直に見るのは不敬である」という理由から文字通り暗闇の中で行われた奇祭とされており、
「くらやみ祭」の名前もそれに由来しています。
ゴールデンウィークの東京はお上りさんが一斉に帰省するため人は少なく過ごしやすい傾向にありますが、
大國魂神社のくらやみ祭だけは別で、毎年70万人もの人出があるそうです。
70万人というと府中市の人口の2倍をゆうに超えています。
自分は上京以来、ゴールデンウィークは基本的には帰省する方針で一貫してきたため、
府中市に住みながらくらやみ祭を目にすることはありませんでした。
が、今年は直近で祖父が亡くなり葬式のために一度地元へ帰ることになり、
そこで両親ともいちおう顔は合わせているしいいか、ということで東京で過ごすことにしたため、
必然的にくらやみ祭を体験することにもなりました。
とはいえ、別に境内に入ったわけでもないのですが……。
とにかくすごいのは人出の多さです。府中駅から神社までの参道は人という人で埋め尽くされ、
参道と垂直につながっている一般道(旧甲州街道)も沿道に座って飲み食いする人がズラッと並んでいるという。
沿道のお店はここぞとばかりに店先でホットスナックやアルコール類などを売っていました。
どうやらこの旧甲州街道で競馬式という馬を走らせる儀式もやるそうで、
それを目当てにカメラと三脚を持参して沿道のスペースを確保している人も見受けられました。
ケーブルテレビ局のJ:COMは連日この様子を中継していたようです。
もうとにかく、地方民の自分が想像していた規模をはるかに上回っていました。
期間中は町内を練り歩く御輿や競馬式、大太鼓以外にもさまざまなイベントがあったようです。
地元民の自分としては、あまりの人混みにスーパーへ行って帰るだけでいつもの3倍の時間がかかるため、
不便を強いられている感は否めませんが、いつもの生活空間が非日常的になるのも悪くないなとは思いました。
このお祭りで地元も相当潤うでしょうし、多少の賑やかさは我慢ですかね。