集中するために必要な要素
3日前にめでたくリリースした新ピクチャレ大会ですが、
これはまだまだスタート地点に立っただけでむしろここからがプロジェクトの本番です。
なのでリリースまでこぎつけたからといって達成感に浸っている余裕は無いし、
事実リリース後の方が締め切りに追われていたときよりも焦りは大きいです。
ですが、それはそれとして約1年のプロジェクトが頓挫せずにリリースできたことは、
基本的に計画は頓挫して当たり前の自分にしてはかなり稀有な体験だったと思います。
そこで、忘れないうちにその達成のために何が重要だったのかについて、
この時点での認識を書き残すことにしておきます。
とはいえ結論はシンプルです。達成要因は「良い音楽」「タスクの細分化」「責任」の3つです。
強いていえば4つ目に「健康」が含まれるかもしれませんが、
これはプロジェクトの遂行以前に人間の活動における大前提みたいなところがあるので省略します。
一言だけ書くと、エナドリは今回ほとんど飲んでいません。
あれがあれば頑張れるというのは幻想だったのだと改めて思いました。
まず「良い音楽」。これは作業に没入するために非常に重要です。
人間何が難しいって、作業に取り掛かる際のON/OFFスイッチを適切に切り替えることです。
これは作業場所を変えることでもある程度効果はありますが、
往々にしてそれだけでは不十分です。
音楽を聴きながら作業をすることが習慣になっている自分にとっては、
その習慣があればこそ、音楽というものが作業モードに入るのに強力な武器になっています。
これを効果的にするには、
ただ既存のライブラリをランダム再生すれば良いというわけではありません。
日ごとに好きな音楽を適切に選ぶ必要があり、かつ飽きることのないような工夫が求められます。
自分はこれについては「アルバムごとに聴く」というCD時代の原点回帰に行き着きました。
スマートプレイリストでどうにかしようとするとどうしても雑多になりがちだったからです。
静かな曲が流れたと思ったら次は激しい曲になるようで情緒不安定というかなんというか。
その点、一定の時間ある程度同じような雰囲気の音楽が流れるという点で
アルバム単位の再生は作業向きだと思います。
今回のプロジェクトではAphex Twinの近年の作品にそれはもうお世話になりました。
やっぱインストゥルメンタルの方が集中はできますね。
次に「タスクの細分化」。
これは上京前に読んだ『小さな習慣』に書いてあったことそのままですが、
要は開発作業でやるべきことを可能な限り細分化してミニタスクとしてリストアップするわけです。
そうすることでまず何をやるべきかが明確になると同時に、
1つずつは難しくないので「せめてこのうち1つはやらないと」という気持ちになってきます。
もし、そうならずに保留を繰り返すタスクがあったとしたら、それはまだ細分化できるということ。
そしてミニタスクを1つでもクリアすることを毎日の目標にすることによって、
開発と向き合うことが習慣になります。
これはそれ自体が良いというよりは、「今日サボると明日はもっとサボりたくなる」
という悪循環を根本から防ぐという点で非常に有用だと思います。
もちろんタスクの可視化のために適切なタスク管理アプリを選ぶ必要があります。
今回は「Craft」にお世話になりました。
最後に「責任」。
誰かがこのプロジェクトの完成を待っているという気持ちがあるだけでモチベは全然違います。
今回は「『ピクミン4』発売前まで」というリミットが自然と決まりましたが、
周年企画としてやるのでピクミン4発売直後は旧サイトで運用するという選択肢もあったはず。
ただ、去年秋に配信で発売前までにリメイクしますと公言してしまったので、
良くも悪くもあとに退けなくなったわけです。
どう考えても発売前にリニューアルするのが合理的だったので言い逃れも難しく、
だからこそリミットをそこに設定してプロジェクトを進めることができたのだと思います。
これが「ブログの19周年に合わせたい」みたいな謎のこだわりで09月01日に設定していたら、
根底であるこだわりに根拠が何もないので、ピンチになったらすぐ順延していたでしょう。
今回はピクミン4発売前、という客観的にも明らかな指標があったので、
それに合わせられたのも大きかったと思います。
このブログの最後の年末企画になった「マイベストゲームランキング2020」は、
当時にしてみれば非常に難産で大晦日まで追い込み作業をしていました。
しかし結果的にできたものは子どもでも作れそうなHTMLで、
とても堂々と公表できるような成果物とは言えません。
まあ、これは内部コンテンツであるゲームの順位づけに相当の時間を要したのもありますが、
今回のピクチャレ大会リメイク企画と比べると作業量の差は歴然です。
それらの間で何が違ったのかというと、それはスキルというより上記の3要素が欠けていたから、
なんじゃないかなあと思っています。
そういう意味で、長らく自己満足で趣味系作業をしてきましたが、
独力でプロジェクトを動かすためのコツを掴んだという意味では値千金の仕事をしたと思います。
是非ともこれを次にも活かしていきたいところ。