エレクトロニカへの興味再燃
エレクトロニカの巨匠、Aphex Twinの2ndアルバム『Selected Ambient Works Vol.2』(以下、「SAW II」)
が今年で30周年(!)ということで、豪華BOX版としてリイシューされるようです。買おうかな。
このアルバムは24曲収録されていますが、13曲目の「Blue Calx」以外の楽曲はタイトルがありません。
公式サイトではすべて「Untitled」表記となっていますが、
これだと音楽ファイルを取り扱う際に不都合が生じやすいという問題があり、
いくつかの楽曲データベースでは便宜上トラック番号と同じ番号を振っているようで、自分もそうしています。
このアルバムを買ったのが2010年なので、過去15年間はそうしてきたことになります。
しかし今回発表されたリイシュー版には新規に「#19」が収録されることになりました。
つまり、オリジナル版は19番目のトラックは未収録で本当は25曲あったということ。
「#19」は一部の国でのみ収録されたことのあるかなりのレア音源だったようです。
ということは自分が15年間聴いてきた「#19」は実際には「#20」であり、以下もズレるということですね。
なんてこった、そんなの気付かんわ……。
リイシュー版は幻の「#19」に加えてさらに2曲のタイトル付きボーナストラックが収録され、
3枚組27曲として発売されるようです。アナログ版、CD版、ダウンロード版、カセット版の4種展開ですが、
なんとカセット版はすでに売り切れています。最近ではカセットが流行りなんでしょうか?
何年か前にCDの売り上げをアナログレコードが超えたと聞いてびっくりした記憶がありますが、
今度はカセットテープの時代が来ているんだろうか。
CDの国内流通版はなんと6,600円。
このアルバムは2017年にもリイシューされていて、そのときは通常の2CD形態で2,000円ちょいでした。
今回は円安進行も著しい上に記念盤という位置付けとはいえ3曲追加で値段3倍はなかなか強気。
余談ですが、最近はまたエレクトロニカの掘り下げが停滞してしまっていました。
2021年を最後に一昨年・去年と長期停滞期に突入してしまった趣味としてのエレクトロニカは、
音楽プラットフォームをついにApple Musicに移転する決断をしたことによって
音楽を聴くという活動自体の機運が高まり、能動的に新曲を掘りまくったおかげで一瞬だけ復活しました。
が、Apple Musicは特定の曲・アーティストに基づきおすすめプレイリストを作成する機能
(Apple Musicでは「ステーション」、Spotifyでは「ラジオ」という名称)が使いにくいという問題があり、
自分のようにプレイリストをざっくばらんに試聴していくような探し方と絶妙にマッチしていません。
具体的には、ステーションは作成すると選曲された曲のうち先頭のみがキューに入り、
それ以降に何があるのかはスキップしないかぎり分からない仕様になっています。
あくまで次のキューに関連曲を自動で投入するだけの機能ということですね。
一方、ラジオは実際にプレイリストを生成する機能なので通常のプレイリスト同様、曲順なども思いのままに聴けます。
音楽を「探す」という目的では明らかに後者の方が効率が良いと言えます。
生成したプレイリストの楽曲を使ってさらにプレイリストを生成する……という深掘りができるので。
それはそれとしてローカルライブラリとサブスクを融合できるのはApple Musicだけの特権なので、
Spotifyを使いたいなら併用する必要があります。
しかし、さすがにそれだけのために2つのサービスを両方契約するのはコスパが悪いと言わざるを得ない。
と思っていたら、どうやら音楽を探すという目的だけであればSpotifyのmacOS版なら無課金でもできそうです。
音楽を聴き終わるタイミングで広告が挿入される以外は特に機能制限も無いようなので、
たいてい聴き終わる前に次の曲へ行く試聴巡り的な使い方では支障が無いと。
スマホ版は制限だらけでマイライブラリに入れたアルバムの曲目さえ確認できませんでしたが……。
今回のSAW IIリイシューでにわかにエレクトロニカへの興味が再燃しつつあり、
2018年に買ったIDM/エレクトロニカのディスクガイド『IDM definitive 1958-2018』を再読しつつ
Spotifyで久々に新しい音楽を探しに行きましたが、お宝のような楽曲が出るわ出るわ。
このジャンルはまだまだまだまだ掘り下げ甲斐があるのだと再認識しました。
ゲームは老後もやっているか怪しいですが、
音楽に関しては環境さえ整えば一生モノの趣味としてやっていけるだけのポテンシャルは感じます。