ゲームの外の要素を利用する
そこまで思い出深いというわけではないのですが、
個人的にいかにも平成初期らしいと思わせるゲームにゲームボーイカラーの『ちっちゃいエイリアン』があります。
これはゲームボーイカラー本体の赤外線センサーを利用してリモコンや電灯などを感知させ、
その光量に応じてさまざまな「ちゃいリアン」を収集・育成できるというもの。
当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったポケモンを生み出したクリーチャーズが関わっている作品ですが、
残念ながらポケモンほどの大きなIPに育つことはありませんでした。
ただグッズ展開はかなりしていたようで、その足跡としてポータルサイトがいまだに動いています。
ゲームの枠を超えた要素を利用する収集系ゲームといえば他にも
『バーコードバトラー』『モンスターファーム』などがあり、まあ世間的にはこちらの方がメジャーでしょう。
バーコードバトラーは文字通り商品のバーコードを、
モンスターファームは音楽CDやPlayStationのゲームソフトを利用して戦うためのモンスターを生み出すゲームです。
自分の世代はどちらかというと後者の方が認知度が高いのではないかと。
小学校高学年のころに友達の家でプレイしているのを見た記憶がギリギリ残っています。
ネット社会の発展によって全世界の情報が一瞬で駆け巡るような現代において
アナログな要素を利用した収集系ゲームを成り立たせるのはなかなか難しいと思いますが、
「ゲームの枠を超えた何かを利用する」という方向性では位置情報を利用した『ポケモンGO』や
運動量がそのまま強さになる『リングフィットアドベンチャー』など、
本質的には1990年代のブームとは異なるものの、いまもなお模索が続いていると言えます。
そしてこういうゲームがそれぞれの時代で一世を風靡するということは意外とあるもの。
バーコードバトラーなどはその先駆的存在と言えなくもないかも。
ふと、こういう『ちっちゃいエイリアン』的な発想を
インディーズゲームの開発に活かせないだろうかと思いましたが、
個人がこういうものを応用するのはまだ若干難しいような気がします。
赤外線やバーコードや音楽CDそれ自体を「その人だけが所有している」からこそ、
そこから生み出したモンスターなどのデジタル資産にも価値が生じるのではないかと思います。
ただ、そういうものに該当してしかもデジタルにインプットできるジャンルってなかなか無い。
かといってランダム性が強かったらただ希少価値が高いだけでガチャのSSRキャラとあまり変わりがない。
ネット時代にこの分野を掘り下げるのはかなり難しいと思いますが、
逆に言えばこの方向性でそれなりの答えを出せたらかなり強い個性を放つゲームが作れる気がします。
そしておそらく、自分はそういうゲームが好きなんだろうなという予感はしています。
例として先達の作品を挙げると、入力した言葉に応じて魔法の威力が可変する『魔法の女子高生』、
架空の電話番号を入力するとその番号固有の世界へワープする『Strange Telephone』などですね。
決してメジャーな作品ではないですが、これらの世界観はかなり好きで憧れを感じます。
自分にもこういうゲームを作れる日はいつか来ると信じたいところだけど……
この体たらくじゃ一生来なさそうだからもう少し頑張らないと。