マイベストミュージックランキング 2024
自分の中で大きなアイデンティティとなっているはずのコンシューマーゲームの存在価値が大きくブレた2024年。
一方で若者と中年の狭間で様々な価値観が乱高下する中においても、
メンタルを底支えするものとして確かに在り続ける音楽という文化。
去年の12月10日についにライブラリとサブスクを統合したことによって音楽追加のハードルが一気に下がり、
結果的に今年は何よりも音楽が充実していた一年間でした。
総再生数は340,076回で、今年は8,779回再生(前年比マイナス5,896回)でした。
音楽を聴く機会自体は去年より明らかに多いのに真逆の結果になっているのは、
ダウンロードしていない楽曲は再生回数に含まれないからだと思われます。
あと、ダウンロード済み楽曲も体感で3分の1くらいは取り逃がしているような気がする……。
総曲数は15,364曲で、今年の増加曲数は1,073曲(前年比プラス1,014曲)。
ただしこれは最後のリッピングCDとしてギタドラのサントラBOXを含んでおり、Apple Music単独では549曲です。
2023年は「アルバムを買う」ということ自体がほとんど無かったため参考になりませんが、
2022年の追加曲数が540曲であることを考えると追加ペースとしては妥当かなと思っています。
今年の特筆すべき現象として、マイレート★4以上の楽曲を21曲も発掘できたということがあります。
自分にとって★4以上というのは15,000曲以上あるライブラリ全体の中でわずか150曲しか選出できない、
上位1%のお気に入りという非常に厳しい基準を持っています。
これまで★4以上該当曲はそこそこ音楽が充実していた年で7〜8曲、近年は3〜5曲程度が該当していて、
年別最多はテクノポップの第二次ブームと音ゲーデビューが重なった2011年の13曲です。
合計して150曲が限界なので新しい楽曲が入ってくれば古いどれかから選んで★3に落とさなければならず、
そのたびにどんどん基準は厳しくなっていきます。そのため近年は新規曲の入る余地がなかなかありませんでした。
そんな状況の中で21曲もの★4該当楽曲との出会いがあったというのは、自分にとってはとんでもないことです。
これはサブスクによって絶えず既存の価値観を上回るクオリティの楽曲が供給されたことを意味しており、
もはや自分にとってApple Musicが生活に欠かせない存在になっていることを端的に表しています。
なにしろ従来のアルバム購入と比べて5倍の速さで神曲と言えるような楽曲が供給されるんですからね。
それで音楽生活が充実しないわけがない。逆に言えば、近年がいかにマンネリな聴き方をしていたかということです。
実際にそのせいで2023年は音楽という文化自体が滅びかけていました。
そんな危機的状況からわずか1年で持ち直したサブスクのチカラってすごいですね……。
というわけで、このエントリーでは今年ヘビロテした楽曲から10曲を簡単に紹介したいと思います。
情報の並びは、楽曲名、アーティスト名、リリース年、ライブラリに入れた時期です。
対象期間は2023年12月(198期)〜2024年12月(210期)。サブスク解禁の都合上、今年だけ13ヶ月を対象としています。
自分の一言紹介はさておきぜひとも各曲をYouTubeで聴いてほしい。
・Sky High (Prod. Yunomi) - キズナアイ (2019、198期)
https://youtu.be/yLrstz80MKs?si=xx5FCgrNwlT8bTgb
いまとなっては巨大な文化圏へと成長したVTuberの、たった一人のオリジンである「キズナアイ」。
そのオリジナル楽曲で2010年代中期Kawaii Future Bassの中心的存在でもあったYunomiがプロデュースした楽曲です。
今年解禁したVTuberに先駆けること2019年、キズナアイのフルアルバムは購入していたのですが、
当時一番ハマっていたYunomiが関わっているこの楽曲だけはシングル限定のため収録されていませんでした。
CD時代の自分はネット限定シングルはアルバム収録を待つというルールを定めていたため、
Sky Highのようにいつまで経っても収録されない楽曲は延々聴くことができないという悩みがありました。
今回のサブスク解禁でそのルールも廃止されたため、
こういったシングル限定を一気にダウンロードしたわけですね。
なんだかタイムカプセルを開けたような懐かしいような、でも新しい不思議な感覚でした。
・ヒーロー - rinahamu feat.4s4ki, KOTONOHOUSE (2020、198期)
https://youtu.be/pcFotVkY6LY?si=VJJkzerBwvgF0VsY
Yunomiにハマっていたのが2016〜2018年ごろですが、
2019〜2021年ごろは第二世代とも言えるアーティストたちを重点的に聴いていました。
その中でも中心的な存在が「え、アタシ?」で有名(?)なKOTONOHOUSEと苺りなはむ率いるCY8ERでした。
この楽曲はそれら第二世代を象徴する楽曲……とも言えますが、
実際にはキュレーションでたまたま出会った楽曲です。
これを皮切りに、Kawaii Future Bassの新曲をどんどん深掘りするようになります。
・Clockwise - HoneyComeBear (2018、198期)
https://youtu.be/4hkpZ20zNXc?si=4k06fHMW7fRTalvb
既存のライブラリとの接点が無い、完全に未知のアーティストとしてはサブスク時代最初の楽曲。
物悲しい歌詞とギャップのあるポップな進行が印象的なエモーショナルな楽曲です。
ハニカムベアー周辺は今年はあまり深掘りできませんでしたね……。
・寝・逃・げでリセット! (y0c1e from T.R Remix)- 柊つかさ(CV: 福島香織)(2024、199期)
https://youtu.be/sCfLrBu6Ld0?si=6aOPx9MF64KBIZue
原曲はニコニコ動画最盛期の2007年に登場したキャラクターソング。
マイライブラリ15,425曲のうち210ヶ月連続で再生数総合1位を記録し続けている、自分にとって頂点の楽曲です。
そのリミックスが高すぎる期待を超えるクオリティを引っさげてこのタイミングで登場。
これを知ったのは本当にたまたまでしたが、
この楽曲との奇跡的な出会いがある意味サブスク時代への期待を確かなものにしました。
ボーカルの息遣いからバックグラウンドで鳴っている複雑な電子音楽まですべてが神々しい。
ライブラリ追加直後から★5となったのはおそらく15年以上ぶりです。
・ワタリドリ - [Alexandros] (2015、199期)
https://youtu.be/O_DLtVuiqhI?si=7s5B7A8TNTzX5KZM
地元時代、初めて東京で年越した際に聴いていたロックバンドアーティスト、[Alexandros]。
年越しを象徴する「明日、また」という楽曲がずっとマイベストでした。
ワタリドリの方が有名なのは知っていたものの、これ1曲のためだけにアルバムを買う勇気が出ず……。
サブスク時代になったことでその辺の心理的ハードルも取っ払われ、無事に沼りました。
思春期に聴きたかった楽曲です。
・Joy - A-Bee (2024、205期)
https://youtu.be/snAmiUcJpqA?si=-TmGikWQdWVbg0E7
現在推しのアーティストたちは第2世代Kawaii Future Bassとも言うべきグループに属しますが、
その前は2015年前後に台頭してきたYunomiやYUC'eなど。
さらにその前は2009年から長らくCAPSULEを筆頭として中田ヤスタカワールドにのめり込んでいました。
A-Beeは、それよりもさらに前から知っていた唯一のテクノポップ・アーティストです。
1st〜3rdアルバム辺りはもう恐ろしいくらいの頻度でヘビロテしていました。
そんなA-Beeが久々のアルバムを突如リリース。
しかも、原点回帰しつつ音を洗練させたクオリティとあってなかなか感動しました。
昔聴いていたアーティストの現在はとても追いきれていませんが、
たまにこうして新譜を出してくれると本当に嬉しいです。
・まぼろしのほし - 神宮前参道學園電音部 (2024、206期)
(higma, 桜乃美々兎 (CV: 小坂井祐莉絵)、水上 雛 (CV: 大森日雅)、犬吠埼紫杏 (CV: 長谷川玲奈))
https://youtu.be/zlKepK7UdFw?si=CRUv2lw4wgjmX2sP
「電脳部」とは、ネオ東京の各地に点在する架空の高校で電子音楽をリリースする部活。
VTuberと違っていわゆる中の人の存在が明らかになっている音楽活動を中心としたプロジェクトです。
それだけ聞くとさほどでもない印象ですが、
実はこれ、国内のKawaii Future Bassの名だたるアーティストがことごとく関わっている豪華プロジェクトなんですよね。
Neko Hackerプロデュースの「ルルラルルラ」と迷いましたが、今年のベストには「まぼろしのほし」を選出しました。
もちろんどちらも良曲です。他にも好きな楽曲が多すぎて、今後の動向がかなり楽しみ。
・My Song - 角巻わため (2021、206期)
https://youtu.be/6VGkeUaX-zk?si=hqkx4Euvsr7PWR7v
「葛藤の隙間で 錆びない声明を 捻り出せるか」
ホロライブオリジナル曲を解禁するようになった206期、オススメに流れてきて衝撃を受けた楽曲。
もう歌詞のすべてが素晴らしいのですが、特にこのワンフレーズが好きです。
頑張ろうとする背中を押してくれる楽曲として、これ以上に無いほどの完成度だと思います。
VTuberの楽曲ということで偏見もありましたが、むしろ一般向けを越えるクオリティにただただ打ちのめされました。
今年、この10曲の中で1曲だけ選べと言われたらこの楽曲を選びます。
挫折しそうになったらすぐに聴きたいお守りのような音楽。
・flower rhapsody - さくらみこ (2024、208期)
https://youtu.be/BerwUFzdj4U?si=KYlwVZHLe5ZNcwhl
今年、活動7年目にして悲願のソロライブを実現し、
加湿器に水を入れることを知らなかったというおばかキャラから一転、
VTuber界のトップアイドルとしての地位を築きつつある「さくらみこ」。そのライブのキラーチューンがこちら。
さくらみこのキャリアをドラマチックに横断し、自身の持つ哲学と信念を歌い、
ときに迷い、悲しみ、思い通りにならなった過去を振り返り、
「でもわたし わたしでよかったよ」と歌い上げるそのストーリーはあまりにもあまりにもエモい。
たった1年弱のファン歴の自分でもグッときたので、初期ファンなんて感無量なのではないでしょうか。
これも「My Song」と同じくめちゃくちゃお金がかかってそうなオリ曲です。
・ヒロイン(ver. nekotanmaru)- ねこたんまる&PIKASONIC (2022、210期)
https://youtu.be/l0dg7TYkGGs?si=cWsSHOJyDN6P5Z7j
今年最後に発掘した楽曲はこちら。PIKASONICはめちゃくちゃエモい楽曲を多数リリースしていますが、
いまのところこちらの楽曲が最推し。ジャケットが可愛いですね。
この楽曲が象徴しているように、今年はエモ系がかなりのトレンドだったなと思います。
以上10曲でした。
今年はなんだかんだで低調な一年だったと思いますが、復帰も早い傾向にあったと思います。
結果的にメンタル的には(春まではさておき)そこまでダメージを受けなかったのは本当に音楽のおかげかなと。
来年も当然サブスクは継続しますが、しっかり活用して新曲探しを滞らせないようにしたいですね。