Chrononglyph

ゲーム業界

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#8238

ゲームディスク廃止

今日の出来事ゲーム業界

PlayStationを販売するSONY傘下のSIEが、2028年01月以降の新作CSゲームのディスク版販売を廃止すると発表しました
とうとうこの日が来たか……という感じですね。


もともとゲームのディスク版はかなり前から形骸化していました。
自分が体験した中でもっとも古いのは、2010年に買った『メタルギアソリッド ピースウォーカー』というPSPのゲーム。
これはディスク版を買っても最初に大量のダウンロードデータのダウンロードを促され、
ダウンロードデータが無いとデータの読み込みがめちゃくちゃ遅くなるという特徴がありました。
基本的にディスクは読み込みが遅すぎるので、現代ゲームのような大量の読み書きには根本的に向いていません。
昔のゲームのように探索中のマップをメモリに読み込み、
別マップに移動している間にディスクからその部分だけを読み込む……みたいなことはとっくに限界を迎えているわけです。


任天堂はNintendo Switch 2から「キーカード」という新しい形態のパッケージ版を発表しました。
これはいわばライセンス権だけが入っていて、初回起動時にダウンロード版を別途ダウンロードする形になります。
なぜわざわざこんな形態で販売するかというと、やはりゲームデータを直接入れる販売ではもう厳しいからでしょう。
読み込み速度の問題はSwitchにもあるし、いまはもうコンシューマーゲームもアップデートがあるのが当たり前。
そうなると結局差分はダウンロードしなければならないわけで、
制作側から見てもパッケージ版として世に出すのは諸々の都合でコストもリスクも重いわけです。
キーカードはプラットフォーマーがストアを閉鎖したら遊べなくなるじゃないかと批判されていますが、
DL版でありながら貸し借りもできるし中古販売もできるという意味ではとても画期的な販売形態だと思うし、
明言はしていないもののキーカードを出すということはそう簡単にストアを閉鎖しないという意思表示にも見えます。
PlayStationもこれに追従すればよかったのに。


もちろん、それでもストアの閉鎖リスクはゼロではなく、
そもそもストアが閉鎖されなくても個別のタイトルが配信終了するリスクというのはどうしてもあります。
遊べるか否かという問題をプラットフォーマーが握っているというのはやはり無視できないデメリットです。
ゲーム機はどんどん世代交代していくもので、いまあるゲーム機もいつかは必ずサポートが切れます。
そのときにストアからのダウンロードができなくなったら、もうそれを合法的に遊ぶ手段は無くなってしまうわけです。
自分もかつてのWiiウェア、3DSダウンロード専売タイトルなどが販売終了になるとき、
さんざん迷ったあげく購入を見送ったタイトルもありましたが、
見送ったことを後悔しているタイトルも少なくありません。
今回、SIEはPS3とPSVITAのダウンロードストアを2027年07月に閉鎖することも発表しましたが、
まさにこれと同じことが現行ハードでも遠い将来必ず起こるわけです。


すべての著作物を集めることを使命としている国立国会図書館は実はゲームも収集しているのですが、
ダウンロード版は対象外とするルールだそうです。
個人的には、せめてここを是正してくれるだけでもだいぶ安心感はあるんですけどね……。
あるいは、世の中にはそれを民間企業や個人として成し遂げている人も存在するんだろうか。
いずれにしろ、ゲームというものは「伝承」していくものになっていくのかもしれません。


#7880

古参ファンの重圧

今日の出来事ゲーム業界

世界販売1000万本を記録するも目下大炎上中の『モンスターハンターワイルズ』ですが、
それについてゲーム評論系YouTuber「ナカイド」の分析 にちょっと感心したので感想を残しておきます。


モンハンシリーズ最新作のモンハンワイルズは今年02月に発売され、瞬く間に1000万本を売り上げました。
「モンハン最新作だからとりあえず『買い』だろう」と判断したゲーマーが多かったわけです。
しかしほどなくしてファンから「ボリュームが少なすぎる」「ゲームがクラッシュする」
「オープンワールドという新要素とモンハンの面白さが噛み合っていない」等の不評レビューがつきはじめ、
それでも多くのユーザーはアプデに期待を寄せていたと言います。
しかし肝心のアプデが「武器のナーフ」「誰も求めていない自社コラボ」等求めていないものが多く、
肝心のアプデ内容もタマミツネが追加されるくらいで圧倒的なボリューム不足。
開発側の方向性とユーザーが求めているものが違いすぎるということで不満がどんどん爆発し、
ゲーム業界ではいま一番ホットと言ってもいいくらいの炎上案件になってしまっています。


「ボリュームが少なすぎる」というのはあくまでヘビーユーザーから見た観点であり、
全体的にこれまで相当数周回しないとドロップしなかったアイテムが確実にドロップする手段が用意されているなど、
やり込み要素の「ヌルゲー化」によって結論構成に辿り着くまでの時間が短縮された、というのが実態みたいです。
しかし開発側からしたらそこを希釈してただただ厳しい厳選を強いるのは
ゲーム体験の質向上の観点から理にかなっていないと考えているところもあるでしょうし、
これは単にボリュームが減ったから悪い、と言い切れないところではあるように思います。
ポケモンや『原神』など、鬼畜級の厳選要素があるゲームが年々緩和されていることからも時代の流れなのかなと。


ともあれ、運営の思想や時代の流れとヘビーユーザーが求めているものがすれ違った結果、
擁護派が引き下がり完全にネットのおもちゃと化しているのが現状です。
モンハンというブランドがヘビーゲーマーに刺さり続けてきたからこそ、
その膨れ上がった期待を裏切られたということで発狂している古参がいるということなんでしょう。
古参はモンハンをつまらないものと言われたくない。言いたくない。
しかし現実問題として最新作は過去作には及ばなかった。
それがプライドに差し障るのでSteamレビューやSNSで行き場の無い怒りを発散しているというわけですね。


しかし、ここが個人的に感心したことなのですが、
ナカイドさんはそもそも「面白かったかどうか」というのは刺激に対する脳の反応にすぎず、
それを高尚なものとして捉えすぎているのではないかと指摘します。
面白かった、つまらなかったというのはあくまでも個人の感覚でしかない。
それは個人の価値観や思春期にどんなゲームを遊んできたかどうかなどによって180度変わるわけで、
であればこそ他人の「面白いかどうか」という感想に意味なんて無いわけです。
しかし世の中、他人の評価を気にしすぎている人が多すぎる。評価値を絶対的正義と捉えている人も少なくない。
それもまた対立を生むことにしかならないのではないかとナカイドは指摘します。
そしてなぜこんな構図になっているのかと言えば、対立を煽れば煽るほどSNSの広告を目にする機会が増えます。
つまり、プラットフォーム提供者が得をするわけですね。
旧Twitterを買収したイーロン・マスク自身が
「X is the PvP of social media(旧Twitterは対人戦のSNSだ)」と言っているくらいなので、
SNSを提供する側はむしろ対立を生む方が都合がいいんですよ。少なくともマネタイズの観点では。
だからこそ、不愉快なポストがオススメとして挙がってくる。
そしてそれを一度でもクリックしてしまえばアルゴリズムは味をしめて不快なコンテンツをどんどん回してくる。
すると人々は怒りながらもSNSへの依存をどんどん深めていく。


こういう事情があるので、炎上というのは半ばSNSの構造上必然的なものであり、
モンハンワイルズはSNSによって増幅されたネガキャンに巻き込まれている側面があります。
いくらなんでも低評価率88%というのは度が過ぎているでしょう。
評価システム自体本質的に意味が無いものとはいえ、こんなことになるならもう廃止した方が合理的とすら思えます。
ディベロッパーは任意にレビューを非表示にできるくらいの柔軟性は求めたいところではある。
YouTubeが実現できているので、Steamもいずれ追従するような気はしますが……。


ドラクエFFモンハンポケモン辺りの20年以上続いているビッグタイトルは、
めちゃくちゃ面倒くさい古参のおっさんたちが隙あらば叩こうと身構えているので
ちょっとでも寝た子を起こすようなことをしてしまうと、もう炎上を避けるのは難しいんですよね。
彼らの求めるものと開発側のターゲット層(若年層)が求めるものはたいてい異なるからです。
ポケモンもかつて全国図鑑の廃止でめちゃくちゃ炎上したし、自分も古参側の意見を書いた記憶がありますが、
昔のポケモンを知らない最近の人にとってはどうでもいいんですよね。
ただ、いかんせんシリーズものはこういう古参の声が大きすぎる感があると思います。
モンハンワイルズの件は、その古参の期待を損なうだけでここまで面倒くさいことになるんだ、という好例だと思います。
こんな空気感ではもうナンバリングタイトルなんて作られなくなるんじゃないか?


そういえばポケモン公式が05月28日に「07月22日にPokemon Presentsを放送する」と発表し、
めちゃくちゃ遠い日の発表をするということで少し話題になっていたのを忘れかけていました。
ポケモンは来年で30周年となり、おそらく第10世代の本編シリーズの発表があるものと思われますが……
果たしてポケモンは古参の面倒くさい重圧をしのぐことができるのでしょうか。


#7242

スクエニの凋落

今日の出来事ゲーム業界

国民的RPGと評される長寿シリーズ2作品を抱えるスクウェア・エニックスがヤバいそうです。
社運をかけたであろうFF16の売り上げが思いの外伸びなかったため、
これによって株の失望売りが相次いで時価総額が2500億円も暴落したのだとか。
その後、もうひとつの長寿シリーズであるドラクエブランドから
『ダイの大冒険』のゲーム版を出したのですが、レビューサイトでは踏んだり蹴ったりの酷評。
ダイの大冒険といえばドラクエ全盛期に連載された漫画でコアなファンも多いそうですが、
そのコアなファンをして「発売して欲しくなかった」と言わせるほどの内容だそうです。


近年はソーシャルゲームにも相当チカラを入れている印象のあるスクエニですが、
FFシリーズを題材としたバトロワで大失敗したと思いきや
今度はドラクエで同内容のタイトルを出してあまりの完成度の低さに炎上するなど
かなりの迷走が続いているようです。
20年前はスクエニといえばソフトウェアメーカーの覇権企業というイメージでしたが、
いまとなってはその面影も無くなってしまいました。
今冬、満を持して『ドラゴンクエストモンスターズ3』がリリースされるそうですが、
果たしてどうなることやら……。


まあ自分はドラクエもFFもナンバリングタイトルは何ひとつ遊んでいない非国民なので、
蚊帳の外から非難しているに過ぎないのですが、その上で無責任なことを言うと、
ドラクエFFシリーズの新作はどうも「過去の栄光に縋っている」感が拭えないんですよね。
FFシリーズで一番売れたFF7を何度も何度もリメイクしたり。
スマホアプリも過去の名作のリメイクだらけです。
まあ無難に売れるので悪い選択ではないとは思いますが、
20年来のファンには売れるかもしれないけど、新規のファンを取り込むのは難しいと思います。
古参は基本的に減る一方なので新規を取り込まなければどうしようもありません。
しかしこのご時世に初代ドラクエを初めてプレイして面白いかといえば、面白くないわけですよ。
かといって、人気キャラたちにバトロワをやらせれば受けるかといえばそうでもない。
昔ながらのファンはバトロワに馴染みがないので手が出しづらいし、
新規ユーザーにとってみればフォートナイトとかApex Legendsの方が面白いわけです。
バトロワは開発も運営も難しいしそもそもキャラクターありきの世界ではないので、
スクエニのようなメーカーが土俵に上がるのはかなり難しいのではないでしょうか。


自分はFFシリーズで唯一「クリスタルクロニクル」シリーズだけはハマりましたが、
あれはナンバリングシリーズに無い協力アクションRPGとしては良い出来だったと思います。
そういうアプローチでIPを活用すればいいのに、と思わなくもない。
『チョコボスタリオン』や『トルネコの大冒険』みたいに。
いちおうオクトパストラベラーとかは近年そういうアプローチで成功している部類なのでしょうか。


率直に言えば、ナンバリングタイトルみたいな過去から地続きのシリーズは
もう無理に出さなくてもいいんじゃないかと思っています。
それよりも、IPを活用しつつ新しいゲーム性を提供する外伝シリーズに注力すべきなのかなと。
そうやってIPの価値を十分高めてからナンバリングタイトルを出すのはアリかも。
いまの時代、ナンバリングはよっっぽど出来が良くないと方々から叩かれるだろうし……。
20年の歴史があるということは
それだけファンが面倒くさい勢力になっているということでもあるわけで。
おそらくFFドラクエより成功しているであろうポケモンも近年は叩かれまくっていますしね。
リストラポケモンを出すなとか、グラフィックがひどいとか。
そう考えると、同一IPで長年やっていくことの難しさとそれに依存することの危険性を改めて感じます。


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