対話型情報収集
その衝撃はスマホ登場時に匹敵するほどとも言われている「ChatGPT」。
自分もさっそくその活用方法を模索しているのですが、
実家帰省中から何日か試してみた中でわかってきた傾向があります。
たぶん、この手のAIは「頑張れば答えは出せるがその途中経過を考えるのが面倒くさいこと」
に対して人間よりすばやく答えを出すのには向いていると思います。
例えば正規表現を作ったり、プログラムを作ったり、ある法則性の共通点を羅列したり。
ストーリーの断片に基づいて残りの部分を補完する、といった使い方も考えられます。
利用規約みたいな形式張った文章を代わりに書いてもらう、とかも良さそう。
一方で「自分も知らないことをAIに訊く」というのは向いていないことがあります。
なぜならAIは検索エンジンと違ってソースを提示しません。
場合によっては平気で知ったかぶりをする可能性があることは覚えておいた方がよさそうです。
例えば自分は先日、エレクトロニカの未知なるアーティストを知る手掛かりにならないかと、
AIにそれを尋ねてみました。
しかし帰ってきた答えは非常にメジャーでとっくに知っているアーティストか、
AIが即興で作った架空の名前しかありませんでした。
AI自身はそのソースが正しいか否かというファクトチェックができません。
そうすると、それをするのは現時点で質問者である人間しかいないわけです。
となると、自分自身がファクトチェックできないような分野のことを尋ねたところで、
それが事実なのかどうかはその場で分からない。
であればAIではなく検索エンジンを使った方がまだマシという話になるわけです。
もちろんAIを検索エンジンや百科事典のように使うことはできるし、
ある程度のところまではそういう使い方もカバーできているのは事実です。
例えば「宇宙の果てには何があるか?」と質問すると結構的確な答えを返してくる。
それはAIがあくまでもネット上にある既存のソースを学習元にしているからでしょう。
しかし、「ググってもわからないこと」は結局AIにも分からないことが多い。
個人的な事情を含んだ人間関係の悩みは、AIに相談してもなかなか的確な答えを返してくれません。
まあ、これはプロンプトをもっと工夫すれば改善する余地があるのかもしれませんが……。
ちまたではAIの台頭でGoogle創業以来最大のピンチなどと言われていますが、
検索エンジンは検索エンジンで大事なものであり続けるんじゃないかと個人的には思っています。
ただ、新世代AIを合理的に組み込んだ検索エンジンが登場したら既存のエンジンは駆逐されるかも。
まあでも天下のGoogleさんのことだから、そういうものをすでに開発着手してそうですけどね。
あとはハード屋でもありSiriというAIアシスタントを先行して作っていたAppleはどうするか。
Appleも絶対に黙っていないと思うのですが……。
とにかく、AIの登場でIT大手の勢力図が大きく変わりそうな節目に来ていると思います。
AmazonもAppleもGoogleもMicrosoftもOpenAIもここが頑張りどころと思っていそう。
まあ、消費者たる自分としてはこれからも画期的な使い方を模索していく所存です。