VTuberの卒業に思うこと
ホロライブ2期生の「湊あくあ」(チャンネル登録者数200万人以上)が配信で突然卒業を発表したことで、
旧Twitterのトレンドは卒業関連ワードに染まりYahoo!ニュースでもトップトレンドになるなど、
関係界隈は騒然としていました。特に創作界隈はこれに言及するアカウントが多く、
改めてサブカルチャーにおけるトップVTuberの影響力の大きさを認識しました。
卒業の理由については一切の文字起こしが禁止されているためここでもいちおう言及しませんが、
他所でも書かれている情報によれば「会社との方向性の違い」が原因とのことです。
要は会社からの要望が負荷になっていて本来やりたい配信ができないということのようです。
これを素直に受け取るならば、おそらくホロライブには配信ルールがかなり細かく定められていて、
「やってはいけない」「やらなくてはいけない」等々のしがらみも多いのでしょう。
コンプラを守り利益を最大化するために必要な措置なのでしょうが、
それが本人の意向とかけ離れていけば配信活動自体がツラくなるのは当然だとは思います。
そもそも所属会社以前に、ネームバリューが膨れ上がりすぎてたった一言の失言で炎上しかねないので、
そういうプレッシャーが本人のメンタルを傷つけていたのかもしれません。
なにしろ長時間の配信でなされる発言のすべてに気を配らないといけないわけですからね。
一方、若干邪推気味な解釈としては何か裏がありそうだという推測もできなくはない。
会社との摩擦が問題なのであれば必ず事前に話し合いがなされたはず。
会社側にとって湊あくあという存在はいわば「金のガチョウ」であり極力手放したくないはずなので、
会社側がある程度譲歩すればお互いにとってWin-Winになる可能性もあるはずです。
それをする余地を残した上でなお卒業を発表するに至ったということは、
他に何か理由があるのではないかと思わなくもない。
ただ湊あくあ本人にスキャンダルの疑惑があればメディアや世間が必ずそれに言及しているはずで、
いまのところそういう情報も流れてこないので外圧的な何かではないような気がする。
この卒業が本人にとって前向きなものであることを祈るばかりです。
いずれにしろ、本人の卒業を周囲がどうこう言う権利はありません。
ただ影響力が大きい分、ダメージを受ける個人や法人はかなり広範囲に渡るのではないでしょうか。
まず何よりも仲良くしていたホロメンは大きなショックを受けるでしょうし、
登録者数200万人の中には推し活動を生き甲斐にしていた熱心なファンも多いでしょう。
有名キャラであるがゆえに湊あくあを中心に二次創作で活動している同人界隈にもかなりの人数が関わっているはず。
公式グッズ展開もしているので、そういうものに関わっている会社にも少なからぬ影響があると思います。
湊あくあに関しては、本人が登場するゲームの開発が今回の卒業発表で中止になったそうです。
こういう現象は二次元キャラではあり得ないので、
法的に人格権が認められている2.5次元ならではの騒動なんだろうなと。
いまは過渡期なのでトップVTuberに人気が集中するような構図になりがちですが、
たった一人の活動に大きく依存している現状は
いわば卒業という「爆弾」を抱えているようなもので、長くは続かないんじゃないかと思います。