ナンピンの浅はかさ
6日前に買って直後に暴落した仮想通貨のある銘柄ですが、
大きな谷を乗り切ってようやくじわじわとマイナスが減ってきました。
もう少し粘れば救われそうな気がしていますが、まだまだ油断大敵です。
こう考えると、取引において負けないためにはいかにロスカットラインを遠ざけるか、
が大事なのだということを実感するとともに、
去年の今頃の自分がやっていた取引のやり方がいかに愚かだったのかを実感するばかりです。
純益400万円から急転直下の大損となったのは去年の今頃から夏にかけてだったと思いますが、
そのときの自分は赤字転落した場合はナンピンすることで黒字転換ラインを近くすることと、
損切りラインを浅くすることで取引の試行回数を増やすことを実践していました。
しかしこの2つの戦略は大きく間違っているといまは断言します。
それは、当時の自分が半ばパニックになるくらい負け続けたことが何よりの根拠です。
ナンピンとは、負けている銘柄をあえて同じポジションで追加購入することを言います。
こうすると平均購入価格は当初よりも現在値に近くなります。
平均購入価格を超えれば黒字転換するので、それが近いに越したことはないのは事実。
それだけを考えると「下がったらさらに買う」みたいな戦略を取りがちですが、
実はこれは「買えば買うほどロスカットラインも近くなる」という恐ろしさがあります。
追加購入すれば当然総額は多くなり、
それに基づいた比率で建玉(まだ利確していないお金)が上下することになるわけで、
もし追加購入したのに下落を続けたらより早く破滅してしまうことになります。
単純計算で、初期投資額と同額ナンピンすればロスカットラインまでの距離は半分になります。
仮想通貨投資はセーフティな範囲の証拠金で取引することでロスカットリスクを大きく下げられ、
それによりもし予想に反して反発しても数日塩漬けにすれば戻ってくることもあります。
そのためにどんなに少なくても口座に証拠金の3倍は用意しておきたいところ。
もしやむをえずナンピンするならさらに倍以上は用意すべきなのではないかと思います。
資産総額と証拠金の比率を考えずに希望的観測だけでぶち込むのは愚の骨頂です、本当に。
以前Twitterの投資アカウントで「ロスカットが頭によぎるようなら取引の仕方に問題がある」
と誰かが言っていましたが本当に至言だと思います。
損切りラインを浅くすることも同じ理屈です。
ここでの「浅くする」とは、要はちょっとでも予想に反してマイナスになったら利確するということ。
赤字転落しても放っておけば戻ってくるかもしれないのに、その前に損切りするのは勿体無いです。
もちろんポジションを維持することへのリスクを感じる要因が他にあるなら別ですが、
ちょっとマイナスになったらといってすぐにポジションクローズしていたら永遠に儲かりません。
ポジションを開いた直後から想定通りの値動きで推移することはほとんど無いからです。
これもやはり、途中経過で赤字になることは当然あるという前提のもとで損切りラインを設定すべき。
具体的には「これ以上転落したらもう上がってくることはないだろう」というラインです。
ただそれを見極めるには銘柄をよく知らないといけないし、取引のセンスや経験も求められます。
自分のように経験の浅いトレーダーはあえて変なところで損切りラインを設定せずに、
赤字転落したら素直に塩漬け(放置)することが無難なんじゃないかなと。
まあ、長いスパンでずーっと下がり続けるようなパターンもあるので
そういうときは思い切った損切りが必要になるわけですが。この辺はなかなか難しいところです。
ただ、昔の自分がやっていたような「小さな負けを19回繰り返しても大きな勝ち1回取れればいい」
というような考え方はかなりリスキーなのは間違いないと思います。
その19回の積み重ねで生まれる損失もバカにならない金額になったりするし。
とにかく、大前提としてセーフティな取引ができる基盤を整えることは何よりも大事かなと。
その上で不安にならない程度の金額で楽しむのが正しい仮想通貨取引との付き合い方だと思います。
そんなこと言うとまるでギャンブルのようですが……。
やっぱり仮想通貨もギャンブルの一種なんでしょうかねえ。