代引き詐欺
少し前のことですが、
実家の母親から突然「代引きで荷物が届いたけど?」と連絡が来ました。
どうやら、住所=実家、宛名=自分でAmazonから荷物が届いたようです。
Amazonには実家の住所が残っているので直近の注文で間違えて実家を指定した可能性はあるものの、
注文履歴にはそんな形跡は無いし、そもそも自分はAmazonで代引きを使ったことがありません。
実家の猫へのプレゼントという名目で実家に猫グッズを贈ることはたまにありますが、
それもAmazonから直接送るのではなく、
一度東京で受け取ってから再梱包して郵送するようにしています。
ということはこの代引きはいったいなんなのだろうか?
調べてみると、これは「送りつけ詐欺」と言って近年問題になっている詐欺の一種だそうです。
Amazon等のEC(通販)サイトに捨てアカウントを作成し、
どこからか入手したターゲットの住所と名前を登録しておいて代引きで買い物をする。
Amazonや宅配業者はそれを詐欺と知らないまま配送してしまうわけです。
ただ、この方法は代引きで支払ったお金が捨てアカウントに入るわけではなく、
問い合わせたところ詐欺であることが確認されれば代引き料金は即時返還するとのことでした。
商品は受け取った被害者がもらってもいいし、嫌なら処分することになります。
じゃあ、攻撃者側になんの旨味がなくない?
となるわけですが、これに関してはいろいろな説があるようです。
有力なのは、代引き料金を支払うと捨てアカウントに購入時のポイントが付与されるので、
入手した個人情報リストを使って片っ端から代引きで送ることでポイントを得ようとするもの。
また、受け取らなかった被害者に接触し、
「クーリングオフはできない。とにかく指定の振込先に至急振込んでくれ」
などと偽って自分の口座に振り込ませるというような手口もあるようです。
とにかく住所と名前さえ入手できれば容易にできる非常に厄介な詐欺です。
やられた側は、どこから個人情報を入手されたのかと不気味に思うしとにかく不快感が強いです。
自分も、よりによって実家をターゲットにされたことに強い憤りを感じます。
被害例を調べてみるとTwitterなどではほぼ毎日のように同様の報告が上がっているため、
Amazonが対策をしていないいまはほとんどやりたい放題の状況のようです。
この件はどこから個人情報を入手したのかが非常に気になるところですが、
実際にはヒントが少なすぎるので特定は困難です。
ただ実家時代の自分の個人情報を参照していることは確かなので、
上京前の実家暮らし時代にどこかから漏洩した個人情報を使われている可能性は高そう。
もし、自分が上京したことを知っていて親が代わりに受け取るだろうと想定し送りつけたのだとしたら
逆に上京以後に漏洩したことになりますが、
上京後に実家の住所を入力した機会はほぼ皆無です。会社の緊急連絡先くらいしか覚えが無い。
あとはAmazonから流出したらあり得ますが、もしそうならかなりの大問題です。
また、この手口は電話番号がデタラメなのが特徴のようです。
今回の場合も電話番号はまったく見覚えのないもので、9から始まる番号であることが気になります。
電話番号はご存知の通り携帯も固定電話も必ず「0」から始まります。
これは国内線であることを示しており、国際電話をかける際はこの0を取って、
代わりに先頭に「+」と国コード(日本の場合は81)を入れるという決まりになっています。
国内の業者であれば、偽の番号を入力するにしてもわざわざ先頭0を取る理由はありません。
なので、これは海外の業者が個人情報リストを入手し、
海外にとっての外国である日本の電話番号を管理する際に自動的に0を取る設定にしていた、
と考える方がまだしっくりきます。
(Excelで数値書式にしていたので勝手に先頭ゼロが取れていた可能性も否定できないですが)
実際に中国から国際便で送られてきたという被害例もあるようで、
中国の業者であると断定はできませんが、国際的な詐欺グループの手口である可能性は高そうです。
ただ、実は実家から昨日2回目の被害の報告があり、
2回目は代引きでもなく送り元は(配送センターではない)渋谷からだったそうです。
これについては詳しく話を聞かないまま親が事前に受取拒否で対処したため
電話番号などの詳細情報は手に入れていませんが、本当に不気味です。
可能性としては1回目を受け取ってしまったのでホワイトリストに入り、
そのホワイトリストをまた別の手口の業者に売られてしまった可能性があると思っています。
これについてはもはや個人ではどうにもならないので、
政府やAmazonなどのプラットフォーマー、物流業者が対処してくれるのを待つしかありません。
法改正は2021年に一度しているようですが、Amazonが放置している以上被害が減るはずもなく。
どうにかしてほしいものです。