仮想通貨取引反省まとめ 2024年春期
さて、調子に乗っていた仮想通貨取引ですが、先日の大暴落でロングポジションがロスカットされ、
退場を余儀なくされたのでここまでの反省点と方針をまとめておきます。
前回の総括は2024年03月06日(#07385 / 2024年03月06日)を参照。
今シーズンの通算成績は、軍資金15万円、利確資産37万円、ピーク時残高75万円です。
1回当たりの最大の勝ちは15万円、最大の負けは40万円です。また、継続期間は約2ヶ月です。
黒字ではあるものの、手元に残ったお金はピーク時残高と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
ただし手探り感が強く視野も狭かった過去の取引と比べ、
今回は今後に活かせそうな反省材料がとても多く残ったためしっかり書き残していきたいと思います。
まず、今回は04月10日までは自分でも意外なくらい勝ち続けていたのに対し、
イランによるミサイル攻撃があった04月13日以降はなかなかすんなり勝つことができず、
たった2回の損切りでそれまでの含み益を溶かしてしまいました。
強いて言えば上位足の読みが浅かったという反省はありますが、
どちらも突発的な値動きで自分のスキルではどうにもなりませんでした。
04月初旬までは、途中勢いに陰りが出てきたとはいえ基本的にはETF承認の流れから買い圧が強く、
ゆえにロングポジションであれば負けにくいという雰囲気がありました。
そういった前提で下位足である15分足を基準に基本的にはロングだけで勝負していたので、
必然的に勝ちやすかったのではないかと思います。
ただし、これは上位足のトレンド転換に気付けないと延々負け続けるということでもあり、
今回も中東情勢悪化辺りから売りトレンドが強くなったにもかかわらず、
ロングポジションで勝負し続けたことが結果的に大損失につながりました。
地政学リスクに振り回されたと言ってしまえばそうですが、
日足などのより上位のチャートをしっかり分析していればある程度避けられたのではないかと思われ、
その辺が今回の大きな反省点です。
2回目の大損、つまり最後のロスカットに至ってはもっと軽率で、
4時間足、1時間足ともに上向きなので下向きの15分足がトレンドをブレイクしたら大きく伸びるのではないか、
という思惑からロングポジションを取ったのですが、
実際にはその直後にクジラの利確でイランによるミサイル攻撃の日をはるかに下回る暴落を記録し、
それに巻き込まれる形でロスカットされてしまいました。不運といえばあまりにも不運です。
このとき、日足はダブルトップを形成していて明らかに落ちるサインを出していたのですが、
そこまで分析することを怠ったがゆえの敗北です。
4時間足を最上位みたいな位置付けで分析していましたが、やはり日足も見ないとダメだなと。
ここでショートを打っておけば逆に30万円近く勝っていて過去最高益に一層近づいていたのに……。
天国か地獄か、あるいは「一寸先は闇」という言葉を思い起こさせるような取引は根本的に間違っている。
これは春先に方針を整理した際にも認識していて、
日足でもタッチしないようなロスカットラインを設定するというルールによって
セーフティな取引を心がけるはずでした。
しかし、40万円負けてからは巻き返したいという気持ちが強かったこともあり
そういうルールをちゃんと意識できていたとは言い難く、
この辺は率直に言って自分の心の弱さ、取引センスの無さ、意識の低さが招いた敗北だと思っています。
もっと具体的に言えば、損切りできないということが自分にとって大きなウィークポイントになっている。
セーフティ取引は「負けても塩漬けにしていればいずれ損は帳消しになる」という目論見もありますが、
そういう考え方は結局損切りから目を背けているという側面は否めません。
このコンセプトをアップデートしないかぎりは次シーズンに突入してはいけないと思います。
やはり投資は負けているときにこそスキルが問われますね。
今回も40万円負けてからが特にひどくて、
損切りできるかどうかはもとより、有利な情報だけを取捨選択しようとしてしまったり、
逆に都合の悪い情報から逃げて解釈やチャートの見方を恣意的に変えたり
(下位足では負けトレンドだが上位足は勝ちトレンドが継続しているので下位足を見ないようにするなど)、
順風満帆なときにはやらなかったような軽率な行動をいくつもしてしまいました。
最後の取引に至っては2022年にあれだけ痛い目に遭ったナンピンを繰り返し、
その結果ロスカットラインが大幅に上がってこのザマです。
そして、負けて初めて2022年のときと同じく金銭感覚が壊れていると気づきました。
所持しているときは20万円ぽっち持っていても仕方ないから早く増やしたいと思っていたものですが、
20万円を失ってからはその金額の大きさを痛感しています。
ロスカによって投資目線から一気に生活目線へ引き戻されるからでしょう。
今回の教訓として、一方向だけの目線ではダメで反転した方が利益が出る可能性を常に考える、
トレンドは明確に観測してからポジションを確定すべきで
「あとちょっとでトレンド転換するだろう」という段階での先打ちは往々にして損に繋がる、
ファンダメンタルズは無視できずCPIやFOMCなどの定期イベントは必ずチェックする等々、
他にも細々とした反省材料はいくつかありますが、やはり問題は損切りをどうするか。
予測できない要因によって一瞬にして大きなマイナスになる可能性は常にあり、
勝率をどんなに高めたところで一度の負けでごっそり持っていかれるようでは意味がありません。
その対策として、仮想通貨資産はデリバティブ口座だけ使うのではなく現物口座をサブバンクとして活用し、
日本円に換金する前段階として細かく資産を移動していくというやり方が考えられます。
先物取引に使うデリバティブ口座はロスカットされると全部失うリスクが常にあるからです。
現物資産はクロスマージンでロスカットされても失うことがありません。
ただしこの方法では儲けてもロスカットラインが遠ざからないので精算されるリスクも下がりません。
過去に分離マージンを使って精算されまくったことがあることを考えると、
塩漬け戦略が必ずしも正しくないとはいえロスカットラインをあまり近づけたくないのも確かです。
とはいえその辺はポジションサイズで調整もできるので、
1日に欲しい純益の5〜10倍をデリバティブ口座に維持するという方針の下、
その余剰は現物口座に回すというルールを徹底すれば欲張りを防止できていいかもしれません。
アプリからの注文はデリバティブ口座の割合でサイズを決める仕組みになっているので、
全額デリバティブ口座に入れていると勝てば勝つほどハイリスク・ハイリターンになります。
これを防ぐと言う意味でも資金の分割管理は重要かと。
また、最近読んだ本で知ったのですが「バルサラの破産確率理論」も参考になりそう。
これは「ペイオフレシオ(損益率)」と勝率から将来破産する可能性をパーセントで算出するもので、
損益率とはこの場合ポジションに対する利食いと損切りの比率を指します。
たとえば、1,000ドルで成り行き注文したポジションを
1,100ドルで利食い、900ドルで損切りするなら両者の利益と損失は同額なので損益率は1となります。
損益率が1で勝率が50%なら破産確率も50%。
これは常に50%の確率で破産するという意味で、破産確率の安全圏は1%以下とされています。
50%ではいつかは破産するということですね。
破産確率1%以下というのは、損益率を「2」以上にすることによって勝率50%でも実現します。
損益率=2とは利食いの半分で損切りするということを意味しています。
ちなみにこの勝率が40%になると損益率=2でも破産率は一気に16.8%まで上がり安全圏を超えてしまいます。
30%以下になれば90%超えとなり破産はもう約束された未来に。
今回の自分もロスカットを食らったので部分的に破産したと言えるわけですが、
利食い予定の金額に対して2.5倍近くの含み損が発生してもなお塩漬けによって乗り越えようとしていたため、
損益率は0.4かそれ以下ということになります。この場合は勝率が50%でも破産確率は99.9%だそうで、
図らずもその通りになってしまったというわけです。この理論はあと1ヶ月早く知りたかった……。
損益率を2以上にするというルールが定まれば取引のやり方もいろいろ改善点が見えてきます。
要はポジションを開ける前に目標金額の半分を目安に損切りラインを決めてしまえばいい。
それなら心理的に損切りできないという問題も解決でき、同時に利食いラインも機械的に決められる。
具体的な損切りラインは直近安値やネックラインなどケースごとに異なってくると思いますが、
いずれにしろまずこれを決め、それが目標金額の半分に等しくなるように証拠金額を決めればいいわけです。
損切りラインを決められないならポジションは開けてはならない。
こうすればシステム的に1回で致命的な損失を出すようなことはあり得ません。
その代わり損切りラインを近づける以上はいままでのコンセプトよりも絶対的に勝ち難くなるため、
勝率50%を維持できるかどうかが大きな問題になり、
ここはこれまでの経験値で言えることは少ないため次シーズンの課題になります。
いままで以上に真剣にチャートを分析してポジションを決定する必要があるでしょう。
逆に言えば、含み損が出てから損切りするかどうかを決めていた従来のやり方は
ポジションを開ける際に負けることを考慮しないため、
どうしても軽率に取引してしまうリスクがあったとも言えます。
いろいろ書きましたが、最終的にこれらのルールを徹底できるかどうかはメンタル次第です。
特に損切りは決断力も要するためなかなか難しいような気もしますが……。
ただ、適切な損切りができれば今回も着実にお金が増えていっていたであろうことは間違いないので、
やはり一攫千金は考えず、足元の課題を一歩ずつ処理してチマチマ稼ぐのが良いのかなと思います。
思い返せば、負けるときはたいてい欲張ったときですが今回も結局それでした。
前に「仮想通貨で年1000万円儲けられれば40代でFIREできるかも〜」、
みたいなことを書きましたが(#07404 / 2024年03月25日)、その傲慢が破産の伏線になった感も否めません。
やはり仮想通貨取引はあくまでも公営ギャンブルのような感覚で臨むべきであり、
副業とみなしたりアーリーリタイアの条件にしたりするなど人生設計に組み込むのは無理があるのでしょう。
そういう目線が持てるのは投資のプロだけで、
3年も経っていない自分がそんなことを考えるのは烏滸がましいにもほどがあります。
結果的には微妙な結果に終わった今回ですが、今回実践したことのうち次回も継続できそうなこともあります。
まず対象銘柄をビットコインのみにするという方針は正しそうな気がしているので継続で。
少なくとも前回やっていた「未決済建玉変動率上位のアルトコインをショートで狙い撃つ」
なんていう視野の狭い取引よりは有望でしょう。
アルトコイン自体はトレンドの順張りでビットコインよりも強いシグナルを出しているならアリかも。
ただ複数銘柄をチェックするのは難しいのであくまで余裕ができたらの話ですね。
あと「上位足の順張り、かつトレンド転換のみを狙い撃つ」
というポジションオープンの方針もおそらく大枠は間違ってなさそうなので継続で良さそうです。
ただ、トレンドを見極めるのは難しいので「もしかしたら逆かも」という意識は常に持ちたいですね。
あと自信を失ったときほど縋りたくなる有識者その他の意見ですが、
これはむしろ縋れば縋るほど破滅に近づくということが分かったのも収穫です。
例の楽天ウォレットチャンネルを見ると、今回の57,000ドルへの大暴落の前日の投稿で
ラインをブレイクしたら下に行くという可能性にもいちおう言及していましたが、
結論としては「レンジの下限にいるので上目線です」などと宣っていて、この人はもうダメだと確信しました。
ここ最近の値動きは完全にこのチャンネルの予測の逆を行っています。
まあ、専門家ですらここまで大胆に外すくらい値動き予想は難しいのでしょう。
専門家の言うことを鵜呑みにしていると勝ち負けの結果を専門家のせいにできる分、
反省することでルール改善に活かすことが難しいという側面もあり、やはり依存は禁物かなと。
これは突き詰めれば専門家だけでなく各種シグナルやテクニカル分析指標にも同じことが言えます。
「MACDが反転したから行けるはず」みたいな思い込みは危険だということですね。
これについてはどんなときも最終的には自分の勝負勘で決めること、
あるいはチャート分析においては複数のシグナルを明確に観測するまでポジらないことが大事なのかも。
この「シグナルが明確なときだけポジる」というのもなかなか徹底できない反省点ではあります。
夏ボナ前に20万円ものお小遣いが消滅してしまったことについては非常に悔しさを感じていますが、
とにかく仮想通貨取引は負けるとストレスも溜まるのでしばらくはお休みして別の活動に専念します。
またしばらくしたらやりたくなってくると思うので、
夏ボナか秋口に支給されると噂されている決算賞与のタイミングで次シーズンに臨みたいところ。