Chrononglyph

アニバーサリー記念記事

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#7930

上り坂の話

ブログの周年記念日はずっと、「上り坂を登っている」というイメージがあった。
そのイメージの内訳にはきっと、これからはもっと発展的なことをすることになるのだろうという期待感、
あるいはそれによって要求されるレベルがより高くなるだろうという不安も含まれていただろう。
周年特集や年末特集で前年とは違うことを求められているのは確かだったし、
そもそもブログの題材たる人生そのものが、一定期間ごとに次のステップへ進んでいったのは紛れもない事実だった。
確かに「人生は」上り坂をずっと登っているという感覚はあった。2023年までは。


しかし「ブログは」本当に登っていたのだろうか。
正直ベースで振り返ると、発展していたと言えるのはどんなに譲歩しても周年企画が生きていた2021年までであり、
それ以降は平々凡々と1日を積み上げ続けていたにすぎない。
ギリギリ生きていた周年企画でさえも、
規模の下方修正が続いていたことを考えると形になっていたと言えるのは黎明期だけだったと言える。


ただ、一方で「1日を積み上げること」については曲がりなりにも成熟してきたように思う。
平均文字数でピークを迎えた学生時代末期から崩れ落ちるように運営が不安定になった社会人黎明期。
ブラック企業勤務時代はもはやブログどころではなくなり、少なからずそこで自尊心に修復不可能な穴が空いた。
社会生活に余裕ができてもなかなかその穴を埋められずに何年も過ぎていき、
ついに趣味系プロジェクトの逼迫によりさらにブログの優先順位が下がり、非公開運営へと落ちることになる。
そこから這い上がったのは20周年という節目があったからであり、
このブログはある意味20年目で一度死に、21年目になって生き返ったと言えるのかもしれない。
とすれば、今日は新生ブログの1歳の誕生日ということになる。


節目の日や企画を念頭に置いて過去から未来を考えたとき、上り坂に見えるそれは実際は階段のようなものである。
1年間平坦な道が続き、ある日突然目の前に絶壁が立ち塞がる。
そこを乗り越えられるか否かで、次の1年の「高さ」が決まるという塩梅になる。
このブログもかつてはそういう性質のものだと認識していた時代があったが、
アニバーサリー企画の形骸化とともにそれは階段ではなくなった。


僕に取ってブログは、ただただひたすら勾配の低い坂を歩き続けるようなものなのだ。
それは希望があるからでも、次はより発展させなければならないという使命感があるからでもない。
ただただ1日を積み上げているから坂のように見えるだけで、
実際に未来の高さについて案じているような余裕はあまり無い。
絶壁を登るような努力をしない以上、坂を登っているということに対する達成感もあまり無い。
けれども、はるか後方を振り返れば21年前に踏みしめた道は、確かにかなり低かったのだとしみじみと思うのである。


#7564

20th Anniversary

当ブログも無事に20周年を迎え、「4代目本家ブログ」が本日から稼働することとなりました。
どうぞよろしくお願いします。


といってもwebサイトとしては突貫工事もいいところで、本当に最低最小限の実装となります。
これは楽天ブログからWordPressへの移行を目論んでいた10周年当時も同じでしたが、
今回もどちらかというと過去記事を綺麗にする作業の方がメインでした。
しかも今回は記事数は10年前当時のほぼ2倍、求められるコンプラがさらに厳しくなったということもあり、
過去記事整理自体がなかなか非現実な規模になっており、それすら途中で諦めました。
どちらかといえば今回の移転計画は過去記事で何度も言及している通り、
WordPress時代末期のブログ存続危機からの立て直しがメインタスクであり、
20周年という節目はそのきっかけとして利用させてもらったにすぎません。


というとあまり良くないことのようですが、実際こういう節目でもなければ立て直しはできなかったと思うし、
実際に実感できる程度には立て直すことはできたので、そういう意味では無駄ではなかったのかなと。
そして、ある意味ではここからが本当の勝負です。
ようやく赤字を返上して「いままで通り」まで這い上がったブログ活動を、
今度は自分にとってポジティブな活動にしていけるかどうか。
そういう意味では、今日は20周年にしてかなりの実感を伴った「再スタートの日」でもあります。


フロントエンドはピクチャレ大会と同じく「Next.js」というフレームワークを利用し、
いわゆるmicroCMSのテンプレートからフォークして独自のwebアプリを作りました。
といっても実態としてはAIのチカラも借りて2連休でほぼイチから完成まで漕ぎ着けており、
とてもこだわりなどを盛り込む余地はありませんでした。
ある意味これもまっさらからの再スタートと見ることもでき、多機能にできるかどうかは今後次第です。
いまのところあまりにもガバガバなので今後は最低限見やすいようにメンテするつもり。


10年前の今日、「くろのんぐりふとはなんなのか、いつか語る日が来るのでしょうか?」
みたいなことを書いていますが(#03862 / 2014年09月01日)、
残念ながらこの10年間ではその地点までたどり着くことはできませんでした。
というわけで当時思い描いていた夢を次の10年に託すべく、今回ブログタイトルは変えずに継続することにしました。
直近のブログに書いているように、2024年夏以降の自分はかなり「殻を破った」感覚を実感していて、
この状態であれば過去2600万文字のバトンを受け取れるポテンシャルもありそうです。
もちろんこのメンタルがずっと続くとも思っていませんが、
いずれにしろ、昔見た自分の夢を実現できるのはいまの自分だけだということは自覚していきたいところです。


まぁでもサイトタイトルの由来を今後10年で語れるかどうかは、正直五分五分です。
そこまで行けたらいいなぁという、これは願望ですね。目標ではなく。


#7200

宿命

「1日1本ブログを書く」という制約を自分に課して19年が経った。
それによって積み重なってきたものの価値は大きく、だからこそ制約に意味は無かったとは言えない。
しかしそれを前向きに捉えられるのは1日1本何かを書けるだけの精神的・時間的余裕があればこそであり、
もともと三日坊主気質だったことに加え、しばしば精神的に日記を書くどころではなくなる自分を
騙し騙し19年続けていくということは並大抵のことではなかった。


長く続けてきた習慣を続けていくことが苦痛になってくると、
それはまるで人生単位で与えられた罰ゲームのように感じられてくるものだ。
「なぜ、自分ばかりがこんなことをやっているんだろう……」という虚しさを奥に押し込みながら、
それでもなお、ここまでに至った道のりの遠さを考えれば何の脈絡も無く辞めるという決断は下せない。
何か辞めるに値する決定打となる出来事があればいいのに、とずっと考えていた。
何でもない日に辞める勇気はとても持ち合わせていなかった。
……始まりの日である2004年09月01日はなんでもない日だったはずなのに。


2023年は、これまで何かを押し殺しながら書き続けてきた習慣がついに限界を迎えた年だったと思う。
web制作プロジェクトが煮詰まってきたことによりいままでになくブログどころではなくなり、
数ヶ月の放置期間を経て2023年05月29日、ついに本家ブログを閉鎖するに至った。
放置されたまま過去記事が公開されていることを恥ずかしく感じたからだ。
その恥ずかしさが、いままで何も勝てなかった「辞める決断を下せない自尊心」をついに上回った。
そうして、僕が高校時代から書き続けてきた本家ブログは終わりを告げた……かに思えた。


その直後、偶然出会ったObsidianという高機能メモアプリとの出会いをきっかけにして、
ブログはオフラインで継続的に書き続けるという風習が復活した。
この出会いが無かったらこのブログは本当に終わっていただろう。
辞めたくて仕方なかったはずなのに、ようやく辞める決定打となるきっかけと巡り合ったはずなのに、
それでも結局ブログを辞めるということは叶わなかったのである。


僕の活動のほとんどは他者承認を原動力としていて、それはゲームで遊ぶことさえ当てはまる。
だからブログも、オフライン運営に移行したとして誰も見ていないところでは続かないと思っていた。
ところが蓋を開けてみれば、むしろオフライン時代に突入してからの方が筆の乗りは良い。
ブログに限っては他者承認などとっくに必要無かったのだと初めて思い知らされた。
これはもう、僕の宿命なのだと観念した。


このブログが2周年を迎えたとき、受験生の僕を心配してブログは休止したらどうか、
と担任に勧められたことがある(#00845 / 2006年09月01日)。
当時の僕は、2年間でブログによって自作詩や文章力を評価されそれが新たな「生き甲斐」になった以上、
それを道半ばで捨てる道理は無いと考えて受験期もブログを継続することにした。
当時の僕が言う「生き甲斐」とはつまるところ他者承認ありきの活動であった。
いまの価値観では、他者承認が無かったら続かない活動を生き甲斐と断言するにはやや苦しいところがある。
しかし本家ブログはそれから17年の時を経て他者承認を必要としない「本当の生き甲斐」に昇格していた。
受験期の僕にここまでの先見の明があったとはとても思えないが、
当初からここまでの道のりを考えると、一人が一つのことを長く続けることの大きさを改めて思う。


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