SESには自主性が求められる
まだ確定ではありませんが、去年07月から参画している現在の現場を来月末で退場することになりました。
次はテレワークではない現場を自ら希望しているので、
希望が叶えば丸一年続いたフルテレワーク生活もついに終わりを迎えることになります。
もともと、この現場は03月末で契約を終了する予定でした。
そもそもノンプログラミングの仕事で自分がやりたいこととは掠りもしていないし、
かと言って居心地が良いと言えるような人間関係を構築できたわけでもなく、
時間の無駄だという感覚は当初からありました。
しかしそもそも、ここに来る際もこれ以外は圧倒的ハイスキルを求められる現場しか選択肢が無く、
かといって「ここは嫌なので待機したいです」などと言うことが許されるはずもなく、
渋々了承したという経緯があります。
そして入場後、チュートリアルや忙しくない時期の段階では暗黙のうちに更改されてきました。
この現場は年度末繁忙期のみ極端に忙しく、02月に初めて繁忙期を経験した上で更改の相談が来ました。
これはもう退場しても許されるだろうと思っていたのですが……。
そこで所属会社から提示された代替の現場はやはりどれも自分の所有スキルに掠りもしないハイレベルな現場。
無理やりこれらを選んだところでできないことをやらされて潰れるだけです。
なのでそれを選ぶことはできない、かと言ってもちろん待機も無い。
待機は所属会社に明らかな経済的ダメージを与えるため、
「待機を選ぶとボーナスがほとんど無くなる」などと軽い脅しを受け、更改せざるを得ませんでした。
その代わり、せめてもの悪あがきとして本当は更改したくなかったという意思を明確に伝えた上で、
良い案件があれば次の更改(2024年09月)を待たずに退場して乗り換えるようにするために、
営業部にも骨を折ってもらうことを約束しました。
そして先般、年度末更改の際に所属会社と先方(現場の会社)との間で擦り合わせが行われました。
年度末には単価交渉というものがあり、
各従業員の評価に応じて所属会社に払うお金を増やしたり据え置いたりといった評価が行われます。
そこで先述の話が出て、先方からも「本人が続けたくないならその意向を尊重する」と言われ、
次の更改を待たず05月末までという話になったそうです。
とはいえそれは着地点のみを切り取った話で、そこに至るまで所属会社と先方の間で揉めたりもしたそうです。
先方は基本的には最初の1〜2年分の人件費はスキルアップのためのいわば投資と考えていて、
できれば長期的なメンバーとしてやって欲しかったという意向が念頭にあり
(とはいえ契約上はそこまで拘束力は無いのでこれについて先方も強く言えるわけではないんだそう)、
仮にそれができなくとも、
アンマッチなのが分かっていたならもっと早く教えて欲しかったと若干憤っていたそうです。
1回繁忙期を越えたくらいではチュートリアル分の人件費は割に合わないのでしょう。
完全にこれを言える立場じゃないんですが、自分も正直そう思います。
この現場にある意味不本意に参画したときも、
自分は関係者全員に「本当はweb開発がしたい」という意向は伝えていて、営業もそれは理解しているはず。
しかし営業からは「みんなゼロからスタートしているから全然できなくても大丈夫」
「他のみんなは開発スキルゼロの新卒だから」「もし厳しかったら半年〜1年で退場しても全然いいから」
などと、無責任な言い方をすればとにかくこの現場へ参画するように唆してきたわけです。
それで自分も他に選択肢が無いという立場もあって了承してしまったという経緯があり、
先方の「アンマッチだったならもっと早く教えてよ」というのは本当にぐうの音も出ない正論だと思います。
これはもう、うちの会社の営業のやり方、
というよりSESという業態自体の是非が問われているような気がする。
もちろん、そもそも自分がスキル不足なのでマッチする現場が少ないという事情も
相当足を引っ張っていると思います。
自分も本当はやりたくないという気持ちはずっとあったのですが、
最初の半年はそれこそ丸ごとチュートリアルで終わってしまったのでその時点での退場は考えられませんでした。
チュートリアルでは本当に自分ができるのか・できないのかも判断できないし、
先方にとってみればここで辞められたら人件費をドブに捨てることになるからです。
まあでも、損切りという意味ではいまになって退場するよりもそこで判断すべきだったのでしょうが。
秋以降もチュートリアルの延長線上から緩やかに本番案件へシフトしていったものの、
とりあえずそこまでは出来ていたので退場という考えには至らず、決定打になったのは本当にごく最近です。
なんというか、改めてSESという業態における立ち回りは自主性を失ったら終わりなんだなと。
営業の言うことを鵜呑みにしていたら最後に損をするのはいつも自分。
また、今回の現場を選ぶときと年度末更改前の2回とも提示された現場にweb開発系が無かったことを考えると、
そもそも会社の営業力を信用できなくなっています。
いまの会社はそれなりの規模なので、この規模でダメとなるとSESそのものの限界を感じてしまいます。
ここで頭をよぎるのが、SESそのものから足を洗って自力で転職をするという選択肢ですが……。
2022年のときも「もうSESはダメ」と考えた結果引き抜かれた受託系の会社が真っ黒だったことを考えると、
軽率に所属会社を辞めて転職するのも危ない気がします。
理想は、ITではない会社お抱えのITエンジニアかweb開発担当になることだと思っています。
2021年の現場がまさにそんな感じの現場で上京以降で唯一やり甲斐を感じられたのと、
スキルは決して高くないが承認欲求は高いなどの自分の厄介な特性を考慮するとそれがベターなのかなと。
もともと、現場経験が溜まってきたらそういうところへ自力で転職するのはアリだと思っていました。
SES企業そのものには骨を埋めたいと思うような気持ちはまったく無くて、
現場経験を積むのに適していると思ったからこそ、いわば踏み台として選んだ経緯があります。
しかし、現状その現場経験を積むということすらさせてもらえないというのは……。
本当にこの5年間はなんだったんだろう。
職務経歴書は相応に盛れていると思いますが、実際のスキルが本当に割に合っていない。
とはいえコロナ禍を経て、自分自身も社会人として大いに問題があることが明らかになりました。
テレワークだと誰にも見られていないのでとことん頑張れなかったり、
かといって2023年夏までは睡眠障害で毎日出社もキツかったりと、いろいろ問題のある人材だったわけです。
そのことを考えると所属会社が必ずしも全部悪いとも言い切れないところがあります。
なのでこれまでは仕方なかったとして、問題は次ですね。
睡眠障害もおおむね治って、テレワークではない出社形態も選べるようになって初めての現場選びの機会。
ここは本当にキャリアにおける分水嶺になると思います。