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#7814

よくないねボタン

今日の出来事twitter

ここ最近、Twitterが一部のユーザーに対して「よくないね(Dislike)」ボタンを実装しており、
いよいよ「よくないね」ボタンが本稼働するのではないかという噂がまことしやかに流れています。
実はTwitterへのよくないねボタンは過去に何度も実装が噂されたことがあり、
そういった経緯からも今回も本当に実装されるかどうかは不透明です。


ただ、もし本当に全投稿に実装され、「いいね」と同じ仕様(誰がボタンを押したか分からない方式)にする場合、
個人的にはこれは承認欲求不満に陥っている人、自己肯定感が低い人を追い詰めることになると思っています。
これはもちろん長年承認欲求不満人生を歩んでいる自分も例外ではありません。
Twitterは事実上のSNSですが、こうしたSNSでアイデンティティーを確立できていない「弱者」は、
投稿してもなかなか認められることがありません。そのため少ない「いいね」にも一喜一憂します。
裏を返せば、否定されることを必要以上に恐れているというわけです。
そのため「0いいね=他者に受け入れられなかった」と判断して投稿を消すこともある。


基本的にこういうマインドセットを持っている人の投稿は大して有意義でもないし面白くもありません。
なぜなら、もし有意義だったり面白かったら相応に承認をもらえているはずであり、
そうでないからこそ承認欲求不満に陥っていると考えることができるからです。
そして、特定のSNS以外で承認欲求不満を発散できる手段が無いと、いよいよ依存するようになっていきます。
投稿のためにネタを探すこともやめ、ただただ投稿頻度を増やして自分をアピールするようになる。
そういうアピールをされても何者でもない人の日常的な投稿を承認するのは心理的に困難であるため、
当然それらの活動が報われることはありません。何回かに1回は偶発的に「いいね」がつくかもしれませんが、
たったそれだけのためにつまらない投稿を山積みしていくことになるわけです。


「よくないね」ボタンが実装された場合、
「面白いツイートをすることを諦めた弱者」にとってはその曝け出した全投稿がウィークポイントになり得ます。
たとえ1つも「いいね」が付かないと観念した投稿であっても、
「よくないね」が1つでも付けばこういう人はそれなりに心理ダメージを受けることでしょう。
自己肯定感が低い人にとっての「よくないね」は、同数の「いいね」よりもかなりの重みがあります。


しかもこういう人は承認欲求不満に陥っている時点でSNS上にさして味方もいません。
一方でTwitterは鍵アカでないかぎりオープンな場であり、悪意ある他者にいくらでも発見されるリスクが常にあります。
「投稿がつまらないから」と「よくないね」ボタンを押す大義名分もあります。
こうした状況を踏まえると承認不安なほど「よくないね」の数の方が多くなってしまう可能性は高く、
そうなれば承認欲求不満に陥っている人は行き詰まり、パニックに陥るかもしれません。
Twitterを卒業できればまだマシですが、もしそれもままならない場合は精神が歪んでしまう可能性も否定できません。


「よくないね」ボタンを実装する建前は、そうした有意義でない投稿、悪意のある投稿をタイムラインから排除して、
より有意義な投稿をピックアップさせるようにすることなのでしょう。
その方がTwitterというプラットフォームは一見して面白い投稿が溢れた楽しい場になるような気はします。
たとえばYouTubeのコメント欄なんかは読む人のことを考えるとそれでいいのかもしれません。
ただ、SNSにおける発信者の平等性を考えると、これもなかなか残酷なことだと思います。
バズれるインフルエンサーなんて世の中のごく少数にすぎず、
大半は承認欲求不満とまではいかないものの有意義な発信なんて進んでやろうと思っていません。
SNS社会はごく少数の投稿をヨイショするために投稿の価値が「いいね」「よくないね」によって可視化され、
他者にとって価値の無い圧倒的多数の投稿は排除されていく運命にあります。
むしろ「いいね」を非表示にすればSNSからストレスは相当減るのではないかと思います。
しかしそうすると今度はインフルエンサーが投稿する意義を失ってしまう。


こう考えると現在のSNSはその構造上「平等」なんてあり得なくて、弱者は淘汰される運命なのでしょう。
インフルエンサーがカネを生む以上、運営がそちら側に寄るのは当然のことです。
1000以下の「いいね」は可視化されないなどの折衷案はいくらでも思いつきますが、
改悪を続けるTwitterがそんな気の利いた仕組みを提供してくれるとも思いません。
この辺は過渡期を抜けて時代の価値観が変わったとき、
また新たなプラットフォームが現れて若い人から順にそこへ移行することになるんじゃないかと思っています。
Twitterが生まれて18年経ちましたが、まだまだ次の時代に移るタイミングではないということですね。
一時期代替サービスが次々に発表されましたが、基本構造が同じであれば移行する意味がありません。
ただ、Threadsのときの勢いを考えると、もし本当に次世代SNSを発明できたら、
Twitterからの移行は驚くほどハイペースで進むのではないかと思います。


「よくないね」ボタンが本当に実装されたらTwitterはインターネットの戦場のようになるでしょう。
こんな地獄みたいな承認欲求競争プラットフォームを未成年も使えるというのが驚きです
(現在の10代はTwitterを利用していない人もかなり多いそうですが)。
現代で電車の中での喫煙が信じられないように、20年後には未成年者のSNSが同じ文脈で語られるのではないでしょうか。



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