ルート構築に見る価値観の変化
『ピクミン4』、本編1周目クリア後はしばらくダンドリバトルばかりやっていましたが、
そろそろハイスコアもいい感じになってきたので次のカテゴリに移ることにしました。
本編2周目もやりたかったのですが、今回はひとまずダンドリチャレンジをすることに。
本編はやはり攻略本を見ながらルート構築したい。なかなか攻略本が出てきませんが……。
ダンドリチャレンジは、言うなれば『ピクミン3』のミッションモードとほぼ同じ。
ただし、今作は基本12ステージに加えて
残り時間で競う「葉っぱ仙人の挑戦状」というエンドコンテンツが10ステージあります。
まあそれでも実は前作の方がボリュームでは勝るのですが、それはさておき。
今日はそのうち第1ステージである「ダンドリ養成場」のスコア更新に挑みました。
自己ベストは本編1周目クリア直後にとりあえずプラチナメダルだけ取っておいたものなので、
これを超えるのは非常に容易いです。
が、せっかくならピクチャレ大会でそれなりの順位は目指したいところ。
これがもうとにかくレベルが高いので、1ステージ目から試行錯誤の泥沼にハマっています。
でも、楽しいんだこれが。このダンドリの試行錯誤こそがピクミンの醍醐味だと思います本当に。
ダンドリバトルもとっさの判断能力やアドリブでのルート構築力が問われますが、
こちらは妨害してくるCOMもいないのでひたすら良いルートを突き詰めることになります。
一通りやってみてできたルートで目標に達しなかったらどこに改善の余地があるのかを考える。
それをやってみたら別の場所でうまくいかなかったのでさらに改善を重ねる……。その繰り返し。
いまのところ目標は330点としていますが、これでもかなりハードルが高いです。
いわゆるルート構築を伴うピクミンは実はかなり久々で、実質2013年以来10年ぶりとなります。
2013年当時はミッションモード全36ステージのプレイ動画を公開するべく、
それぞれのステージでひたすらルート構築のために試行錯誤していました。
基本的にスコアよりも週当たり2ステージ掲載するというルールを優先して連載していたため
めちゃくちゃ突き詰めたステージは多くありませんが、それでも夢中になってプレイしていました。
ただ、それ以降はTwitterにおける現在のピクミン界隈コミュニティが成立し、
ほどなく『ピクミン2』チャレンジモードの人気が高まり自分もそちらにシフトしたことで、
ルート構築を伴う遊び方はしばらく離れていました。
さらに2018〜2019年はピクミン界隈からも離れがちでモチベーションの低空飛行が続きます。
『ピクミン3デラックス』発売とその前の不正疑惑騒動をきっかけにピクミン界隈へ復帰したものの、
デラックスで追加された14ステージをやり込むモチベはどうしても絞り出せませんでした。
そして紆余曲折を経て10年経ってやっとルート構築を伴うピクミンに復帰したわけですが、
自分のルート構築に対する考え方が大きく変わっている印象を受けました。
10年前の自分は、一度ルートが固定化したらそれを変えるのは心理的に困難だったように思います。
時間をかけて作ったルートを捨てるのが惜しくて、それを捨てるのは勿体無いと感じたのでしょう。
だから2013年当時の自分はルートは最初のインスピレーションによって見出すもので、
あとはひたすら操作精度の向上や原生生物への対応の素早さで詰めていったようなイメージ。
1ステージで100時間以上リトライを繰り返して世界記録を取った
「原生の杜(原生生物をたおせ!)」なんてまさにそれです。
あれは100時間のうちルート構築に費やした時間は最初の数時間に過ぎなかったと思います。
一方、2023年現在の自分の考え方は、
既存ルートに限界を感じたらどこかに改善の余地があると考えるのが自然で、
既存ルートに固執する理由はどこにも無いという感じです。
必ずしも2013年のやり方が間違っているとはかぎりませんが(仮にもWRを取った実績もあるし)、
これについては2023年の方が明らかに合理的だと思います。
これはピクミンが上手くなったからではなく、
この10年で自分自身の「こだわり」に対する考え方が大きく変わったからではないかと。
ちょっと話が脱線しますが、
高校大学時代なんかは「こだわり」は言うなればモチベの根源だったんですよね。
好きな人と出会った日を記念してその日になにか特別なことをしたい、みたいな。
だからちょうどよい日付に締切を据えて、そこに向かって頑張るというようなことをよくしていました。
ブログのキリ番や誕生日と元日に特別記事を書くのは
ある意味その考え方で生み出された習慣の最後の生き残りです。
このブログではタコウインナーの法則と呼んでいますが、
本当に大切なものこそ遠ざけるというような姿勢や
自分が作ったあらゆるものが捨てられないというのもある意味「こだわり」の範疇です。
しかし社会人生活が始まってほどなくしてその魔法は切れてしまいます。
いつしか、むしろ「こだわり」による締切設定が枷にしか感じられなくなりました。
なにしろ、明らかに合理的な判断に反することが多いわけです。構築したルートへの未練もしかり。
最近はようやくそういう自分の性格を俯瞰して、
何がこだわりで何が合理的判断なのかを区別してその場に則した選択をできるようになってきました。
「あ、ここで変にこだわっても時間の無駄だな」とか。
「ここはむしろこだわってもいいのかもしれない」とか。
で、ピクミンチャレンジモードにおいて「ルートへのこだわり」は100%不要なものと判断できます。
2013年時点ではそうではなかったので、プレイ時に考え方が変わったと実感したのでしょう。
どちらがより良いのかは実際のところなんとも言えませんが、
やっていて楽しいのは確実に2023年のように「こだわらない」プレイスタイルです。
他人の動画を見たらパクりになるからダメだとか、そういうのもいい加減どうでもいいと思いますね。
まあこれに関しては自分のルート構築力を試したいので1周するまで動画は見ない方針ですが、
1周終わってさらにスコアを詰めるとなったら
それはもう他人のルートを参考にしないのは非合理だと思います。
にしても、こだわりに対する考え方の変化をこうも分かりやすく教えてくれるとは。
さすがピクミン。やっててよかったピクミン。