制作者と鑑賞者のギャップ
かつて、SAW IIの30周年記念リマスターの報せを聞いてアンビエントへの興味が再燃したものの、
当時はまだSpotifyから移行したばかりだったApple Musicにおける音楽の掘り下げ方がよく分からず、
Apple Musicの機能不足を言い訳にして結局行動不全に陥っていると自己批判する一幕もありました。
Spotifyは楽曲を指定して関連楽曲のプレイリストを生成するラジオ機能がとても便利なのですが、
Apple Musicにはそれが無いという不満があり、それを発散したかったというのが実情です。
とはいえ、いまさらですがApple Musicにももちろん代替となるような機能はあります。
アーティストページへ行くと音楽性が近い関連アーティストが一覧表示されるので
同ジャンルおよび周辺ジャンル内の掘り下げはおおむねこれで事足りるし、
それを補助する役割としてApple公式のジャンル別プレイリストというものに辿り着くこともあります。
これはかなりの数があるらしくマイナーなジャンルもカバーしており、
1つのプレイリストに収録されている楽曲がとても多いので横断的に聴くにはうってつけです。
欲を言えばレーベル別のページも作って欲しいところではありますが……。
最近はこれに加えてChatGPTも活用するようになりました。
検索エンジンと違ってキーワード化が難しい曖昧な条件でもそれっぽい楽曲を無数に提案してくれるし、
Apple Musicを併用すればその場で視聴できるので音楽探しがものすごく捗ります。
提案された楽曲に対して自分のお気に入り度を点数化してレスポンスすることによって、
ChatGPTくんには自分の好きな音楽の傾向をなるべく覚えてもらうようにしています。
何度かやっていると結構好き寄りの音楽を提案してくれるので効果はありそう。
最近、エレクトロニカへの興味が再々燃しているのは少なからずChatGPTのおかげでもあると思っています。
この影響でダウンロード楽曲の数も増えました。
サブスク以降、楽曲をダウンロードする基準は
「サブスク以前の自分がこの楽曲と出会っていたらCDを買っていたどうか」と決めており、
そうポンポンとDLしているわけではありませんが、それにも関わらず買うに値する楽曲が次々に見つかる状況です。
それでCDが存在するならCDは買ってしまおうかと存在確認調査をしたわけですが、
CDが存在するアルバムのうち1枚について調べていたらアーティストの個人サイトに行きつき、
「今回のアルバムは制作に4年かかりました。自信作です」というコメントを見つけました。
決して軽率にお気に入りを決めているつもりはなかった自分でも、
「制作期間4年」というコメントには重みと、それと聴く側とのギャップを感じずにはいられませんでした。
娯楽がインスタントに大量消費されるようになった現代、
音楽や動画はサブスクやストリーミングによって個人が直接お金を出して買うものですらなくなり、
それゆえにひとつひとつを噛み締めるように味わう機会はみるからに減りました。
しかし、だからといって作品が手間なく作られたわけでは決してないんだなと。
SNSでは、日々無数の高クオリティな作品が流れてきます。
何気なく「いいね」をつけているそれらひとつひとつも、長い鍛錬を経て生み出されたものに他なりません。
こちら側の人間にとって、それらは日々無料で大量消費するうちのひとつでしかありませんが、
平成時代ならきっとお金を出してまで味わっていたものであろうことを考えると、
1いいね、1ダウンロードの重みを感じずにはいられません。
いわゆる推し活動の一環でパトロンサイトにお金を落とすようになった自分ですが、
応援したいアーティストは遠慮なく支援していきたいと改めて思いました。
やはりCDの存在するエレクトロニカのアルバムは全部買おう。