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#8089

コミュニケーションの壁

今日の出来事人間関係

自分はこのブログを通じて、なるべく健全なコミュニケーションを実践するにはどうしたらいいか、
あるいは人間関係を損なわないためにはどうすればいいのかということを多方面から検討してきました。
不合理な自己正当化フェーズを経て、近年はようやく客観的に反省できるようになってきたと思っています。
最近では会話はニーズを考慮すべき(#08079 / 2026年01月28日)という言説や、
あらゆる対人関係は維持するだけでコストを支払っている(#08072 / 2026年01月21日)という言説を紹介しました。
これらはいずれも道徳的に妥当で、実践に値する正論だと思っています。
そういう意識があればこそ、自分はコミュニケーション技術について改善していくだろうという見通しもある。
事実、昔はともかくここ2〜3年は毎年それなりに成長していると感じています。
逆に言えば、いかに昔の自分が粗暴なコミュニケーションをしていたかが浮き彫りになってきている。


そのように、自分個人としてはコミュニケーションに関するPDCAサイクルをそれなりにうまく回せていると思う。
まあ年齢相応に立派ではないかもしれませんが、少なくとも過去の自分との相対では確実に改善していることでしょう。
しかし皮肉なことに、そういう「健全な技法」を学び良識を身につけるほど、
身近にいるコミュニケーション能力が著しく低い人が悪目立ちするように見えてくるんですよね。
有り体に言えば、その不合理な立ち振る舞いにイライラすることも少なくなくなってきた。
「自分ならそんな言動は絶対しないのに」という立場を表立って表明できない不満が募るからでしょう。
なぜなら、それを指摘することは少なからずコミュケーション弱者のプライドを刺激すると思うからです。
そういう人を相手に下手に角を立てたくない。


彼らは基本的に悪意があって場の空気を乱しているわけではないし、
なんなら場の空気を乱しているという自覚も薄いと思われます。
コミュ力が低く承認欲求不満な人ほど「空気を読む」という所作は非常に大きなコストがかかるので、
それを表立って規制することはその人に対して大きなストレスを与えることになるかもしれない。
ストレスを抱え込むに値する納得感のある理由を提示できなければ、ただ対立を生むだけに終わってしまうかもしれない。
というような数々の懸念から、結局良識のある側は黙殺するのが無難だということになってしまいます。
反省と実践を繰り返した末に一端のコミュニケーション技術を習得できたとしても、
それはあくまでも自分個人にしか通用しないノウハウであって、他人に押し付けることはできないわけです。
技術格差があってもそれなりに信頼関係が構築できていればじっくり話せば納得してくれるかもしれませんが、
往々にしてこういう問題を意識する相手というのはそこまで深い関係にもなれていない場合が多いと思います。


最近、対人関係についてはここに高い壁を感じています。
個人が深く内省してこちらから人間関係を破壊しないようにする自制心を手に入れることまではできても、
対人関係に他者が不可欠である以上、健全なコミュニケーションは他者のスキルにも依存せざるを得ない。
こちらから働きかけてそのスキルを引き上げるということはそう簡単ではないと思われますが、
かといって仕事等において、「一定以下のスキルの人とは人間関係を構築しない」と割り切るのはなかなか無理がある。
唯一できるのは自分のレベルを一時的に下げて相手に合わせるということですが、
自分が一度身につけて道徳的に正しいと認識した信念を「無かったことにする」のはかなり困難なイメージがあります。


この問題の鍵は「自尊心」だと思っていて、しばらくはこれがキーワードになりそうな気がしています。
自分の自尊心とどう向き合い、また他人の自尊心をどう扱うかということですね。
この壁を突破した景色がどんなものなのかまだ分かりませんが、
いずれにしろいま、これに関してはかなりの行き詰まり感を感じているのは事実です。



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