Chrononglyph

#8212

音楽探しのボトルネック

最近自分の中でエレクトロニカの株が高騰しつつあります。
2009年に出会ったエレクトロニカ(および周辺ジャンルの電子音楽)は、
黎明期はAphex TwinやAutechre、Telefon Tel Avivにハマり、2013年前後はTaylor Deupreeなどのアンビエントに耽溺し、
2016年ごろはOPN『R Plus Seven』に衝撃を受けて似たような音楽を探しまわり、
2021年にはその音楽性を表すジャンルとしてヴェイパーウェイヴというものがあることを知って再びハマり、
2023年前後の低迷期を経て2024年からはサブスク加入によって既知のジャンルを横断的に掘り進めています。
個人的なイメージではヴェイパーウェイヴ方面を突き詰めすぎると前衛的すぎて嫌悪感を感じるため
(実際、下品な題材を音源やジャケットに採用した作品は結構多い)、
もともと前衛的とされるこの種の電子音楽の中でもほどよいバランスを求めています。
前衛的すぎるとダメとはいえ、前衛的な刺激を求めて聴くジャンルなので保守的すぎると意味がなく、
「ほどよいバランス」を体現したアルバムを見つけるのはそう簡単ではありません。
それでも、ジャンル自体の世界は広く新譜自体は把握しきれないほど大量にあるので、
その中で比較的無難そうなアルバムを探し当てていくことになります。


そんな中、先月の統計日で探し当てたBaalti & Lapgen『Threads』 というアルバムが個人的に久々のヒットで、
通勤途中に、作業中に、いろいろなシーンで聴いています。
従来の自分は、前衛的すぎると自分がエレクトロニカに求める何かから逸脱してしまうという考えもあり、
基本的に既知のアルバムの関連から辿るという方式で新譜を探していました。
これはiTunes Storeの時代からずっとそうなので、15年以上続いています。
しかし今回ヒットした先述のアルバムはApple Musicのジャンル別ニューリリース一覧から探し当てました。
Apple Musicではホームリスニングを目的とするエレクトロニカ、IDM、実験音楽、アンビエントも、
クラブミュージックとしてのテクノやハウスなどもすべて「エレクトロニック」で統一されています。
ニューリリース一覧という項目はあるものの、基本的にサブジャンルでは絞り込めないので
ピンポイントで好みのサブジャンルだけを探し回るのは容易ではありません。


ただ、従来型の探索は15年以上続いているだけあって相当マンネリ化しており、
安定的に新しいヒットを見つけられないと探索範囲が広がらずマンネリが悪化するという問題を抱えています。
そのことを考えると、ニューリリース一覧にしろプレイリストにしろDJミックスにしろ、
Apple Musicが用意している仕組みに沿って探す方法にも適応していった方が有意義なのかもしれません。
いずれにしろ、音楽という文化については触れてきた歴史も将来性も安定性も申し分ないものの、
ただ1点「新譜の探し方」というボトルネックによって十分に楽しみきれていないと感じています。
興味が復活しつつあるいま、ここを掘り下げて音楽をより楽しめるようにしたいところ。



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