五段階評価の国民性
PCゲームプラットフォームのSteamでは、
最近海外ディベロッパーの間で「日本語でリリースすると評価が下がる傾向にある」と言われているそうで、
この風潮が広まれば日本語訳を出してくれなくなるんじゃないかという懸念の声が出ています。
なんでこんなことになっているのかというと、
これは別に「意図的に悪評価を残す日本人が多い」とかではなく単に文化の違いのようです。
日本人の多くは、そうそう簡単に5段階の「5」をつけませんよね。
一般的には、ニュアンスとしてはめちゃくちゃ面白い、他人にも勧めたいと思える神ゲーで「4」。
及第点以上、要するに普通の評価が「3」。イマイチだなと思う場合は「2」以下という感じでしょうか。
安直に「5」をつけるとサクラを疑われると考える人も多いと思います。
学生時代の通知表の影響なのか、文化的背景はわかりません。
しかし海外では違うようです。
良いという評価は「5」、それ以下なら「4」以下というざっくりした評価だそうで。
5段階評価の意味無いじゃん、と言ってしまえばそれまでなのですが、ここで大きな問題が発生します。
海外ユーザーのみなら、ニュアンスとしては及第点以上なら「5」をつけるのに対して、
日本人の場合は同じレベルの評価で「3」以上ということになるため、
日本人を含めるかどうかで平均値が大きく変わってきてしまいます。
ディベロッパーからしてみれば評価はストアにおける露出度、すなわち売り上げに直結するため死活問題。
であれば日本語対応をあえてしないことで評価を高く保つという戦略を採るのも、ありえなくはないと思います。
日本語対応はマルチバイトだし(欧米人にとって)世界一難しい言語ということもあり、
機械翻訳の精度がかなりのレベルの現代でもそれなりに面倒でしょうからね。
5段階評価というもののシステムを考慮すれば、自分は日本人の習慣の方が正しいと思います。
もし良い=「5」、良くない=「4」以下で筋を通したいなら「いいね」と「よくないね」ボタンだけでいいはず。
「良くない」の中に4段階も刻む必要性も分かりません。
我々が正しいのに割を食うというのは理不尽のようにも思います。
今後、これについてSteam運営のValveが動くのか、それともひっそりと日本人が割を食い続けるのか、
どうなるかは分かりませんが後者になるような気がしなくもないです。
正直、個人的にはあと10年くらいでユーザーレビューのあり方はガラッと変わるんじゃないかと思います。
これはかなり性善説に基づいて作られたシステムで、実態に即していないんですよね。
実際にはGoogle mapsの店舗口コミには営業妨害とも言える荒らしが跋扈しているし、
それはAmazonの商品ページやApp Storeのアプリ、Steamのゲームについても同じようなことが言えます。
レビューを書く方は身元を明かさないし責任も取らないのでなんでも書けてしまうわけです。
それこそ憶測に基づく非難や中傷、ごく個人的な感想に過ぎない駄文やクレームなどは世に溢れていて、
それらは少なからずサービス提供側に損失をもたらしています。
しかも都合が悪いことに、このレビューを参考に消費活動をしている人というのが結構な割合で存在する。
モンハンワイルズ騒動の件でも書きましたが、この評価をその商品の絶対的評価とみなす人も少なくないわけです。
それくらい影響力があるなら なおさら責任あるレビューを求められてしかるべきだと思うんですが、
大手プラットフォーマーたちは一向に重い腰を上げません。
まぁ、プライバシーの問題などいろいろと厄介な問題があるんでしょうね。
ただ、完全非匿名でしか投稿できないというのはかなり難しいと思っていますが、
「参考にならない」を一定数押されたらレビュー一覧から消滅して評価にも反映されないようにする、
という程度の施策はもはや必須だと思うんですよね。
それを実装した上で5段階評価は廃止して「良い」「良くない」だけにするというのが無難でしょうか。
特にSteamは「圧倒的に好評」「非常に好評」といった高評価率を主に参照されているわけで、
なおさら文化の違いでブレる5段階評価は不要だと思います。
果たして10年後、5段階評価はまだ生きているのか否か……。
まぁでも、個人的には音楽のマイレートはずっと生きていてくれないと困りますが……。
蛇足ですが、音楽はマイレートの他に「好き」という基準ができてさりげなく両立が実現しているんですよね。
ローカルは5段階、集合知としての評価は2段階という音楽における評価基準がある意味理想的なのかも?